お小水をためてエコー検査を受ける理由は?
お小水をためる必要があるのは、腹部エコー検査の方のみです。
頸動脈エコー・甲状腺エコーをご希望の方はお小水をためていただく必要はありません。
では、なぜお小水をためる必要があるのか?
答えは下の写真を見てください。
緑枠に囲まれた黒い部分が膀胱です。
排尿後であるため内腔のみえる面積が少なく、周囲の腸管ガスの影響でぼんやりしています。
一方、下の写真は、十分にお小水がたまっている膀胱です。
約1.5㎝の膀胱がんが偶然見つかった一例です。
しっかりお小水がたまっているため、内腔がしっかり観察できます。はりが出ることで、周囲の腸管ガスの影響もほとんど受けません。
この様に条件が良ければ、1㎝以下の小さな膀胱がんも、発見することが可能です。
お小水をためて検査を受けることのメリットはまだあります。
膀胱が膨らむことでその背中側にある臓器、男性であれば前立腺、女性であれば子宮や卵巣がよく観察できるようになります。
※子宮・卵巣はお小水を溜めていても見えない場合もあります。
前立腺がよく見える場合はその大きさを測り、肥大の有無を確認します。
子宮や卵巣がみえた場合は、腫大や腫瘍がないかどうかを確認します。
このように膀胱、前立腺、子宮、卵巣は条件が良ければ観察可能です。
かといって、検査まで無理にお小水を我慢していただく必要はなく、つらい場合は排尿してしまって構いません。あくまでも我慢できる範囲で結構です。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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