胃がん
「胃がん」
名前を聞くだけで、目の前が暗くなるような怖い病気です。
でも実は、胃がんは早期の段階であれば完全に治すことができる病気でもあります。
ただ、早期の段階では症状がでることはなく、症状がなくとも定期的に胃カメラを行い、治療の出来る早期の段階で見つけることが大事になります。
<原因>
胃がんの原因の大部分はピロリ菌であることがわかっており、逆にピロリ菌に感染したことがない方はほとんど胃がんになりません。
そして現在はピロリ菌の新規感染者が減っていること、また2013年にピロリ菌の除菌が保険適応されたこともあり、今後は胃がんは激減してくると考えられています。
ご自身がピロリ菌に感染しているかどうかは、保険診療(胃カメラやバリウム検査を受け適応ありと判断された方のみ)や、胃がん検診や自費診療(1500円-6000円程度)でも調べることが出来ます。
実際にピロリ菌がいた方はしっかりと除菌を行い、その後は定期的な胃カメラで経過をおっていきます。
(詳細はピロリ菌外来をご参照ください。)
また、ピロリ菌に関係なく発症する胃がんも極々稀にあるため(胃がん全体の0.7%くらい:年間日本全国で600人くらい、だいたい宝くじで1億円以上当選するのと同等の数字です)、可能性が低いとはいえ0%ではないため、喫煙者や塩分の強い食事をされる方は注意が必要です。
<内視鏡写真>
①早期胃癌
②進行胃癌
<エコー所見>
胃の壁が約7㎝の範囲で著明に肥厚しています(max3㎝厚)。層構造は不明瞭で筋層の輪郭が一部不整に描出されています。
早期がんをエコーで見つけることは困難ですが、進行がんであれば上記のようにエコーで指摘できることも多く、エコーは体に負担をかけず簡単にできるので、症状のある方はまずエコーを受けてみるのもいい方法だと思います。
<治療>
胃がんの治療は、がんの進行度によって異なりますが、大まかにわけると、
① 内視鏡(胃カメラ)治療
② 手術(腹腔鏡・開腹)、抗がん剤治療
となります。
胃カメラを使った内視鏡治療が体への負担も少なく、楽な治療ではあるのですが、早期の胃がんの方に限られます。
これは、内視鏡では胃の中は観察して治療することはできるのですが、胃の外のリンパ節の状態を見たり切り取ったりできないためです。
ですので、内視鏡での治療は早期がんの中でも、内視鏡検査で病変の広がりや深さを診断し、リンパ節転移の可能性がないと思われる病変が治療の適応となります。
また、進行がんに対しては手術・抗がん剤の治療を考えます。
基本的には、リンパ節を含めがんを手術(腹腔鏡や開腹)で取り除くことになります。
ただ、進行度によっては(遠隔転移や全身への広がりがあるなど)、手術による治療は難しく抗がん剤を行うことが多いです。
抗がん剤は術後の補助治療や、術後再発、全身転移・周囲浸潤を生じ手術的加療による根治が困難な場合に行われます。また最近は分子標的治療薬といった新たな種類の薬剤も登場し、成果をあげています。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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