大腸カメラの基本の流れは、
『下剤を飲んで腸の中を綺麗にし(前処置と言います)、お尻から細いカメラを一番奥まで入れて、抜きながら観察する』
という形になります。
実際の流れと所要時間を見ていきましょう。
■前処置とは?■
検査の際に、準備なしにカメラを入れても、便が邪魔をして詳細な観察をすることが出来ません。
ですので、大腸の中をしっかりと見るためには、前処置と言って腸管洗浄剤(下剤)を使って大腸をきれいにする必要があります。
■当院での前処置■
『大腸カメラって、下剤を飲むのがきついんだよ。』
という話を聞かれたり、実際に大変な思いをされた方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では少しでも患者様が楽な環境・楽な方法で下剤を飲めるように工夫をしています。
今までの前処置薬は、
①検査前日に下剤を服用
②さらに当日朝に液体の腸管洗浄剤を2L~3Lほど飲む
という流れでした。
当院では体への負担を減らすために、
①の前日の下剤をなくし、
②の腸管洗浄剤の量も半分~2/3程度で済む前処置薬(モビプレップ)を使用しています。
また、液体が飲むのが苦手な方には錠剤の前処薬も選択頂けます。
※普段から便秘の方には前日の下剤を服用して頂くこともあります。
◆液体と錠剤の前処置薬のメリット・デメリット◆
液体の前処置薬のモビプレップ(左)と、錠剤の前処置薬のビジクリア(右)
また、過去にどうしても液体でも錠剤でも前処置薬が飲めなかった方は、前処置薬を飲まずに行う「無飲前処置内視鏡」も行っております。ご希望の方は一度外来にてご相談ください。
<前処置の実際>
前処置薬の服用場所については、患者様の環境に合わせて、“ご自宅” でも “クリニックに来院して”の服用のどちらでもお選びいただけます。
①ご自宅で飲む場合
自宅の落ち着いた環境で前処置の腸管洗浄剤が服用頂けます。
また、お家でお薬を飲んだあと、移動中の便意が心配だと思いますが、洗浄剤の内服を開始して2〜3時間経ち、ひとしきり便が出てしまうと、後はあまり便意を感じなくなるので、電車などで来院できるようになります
※ご自宅での前処置をご予約の方は、検査2日前までに前処置薬を取りに来て頂きます。
②クリニックで飲む場合
在宅での服用が不安な方、洗浄剤で腹痛の出たことのある方、便秘症の方、また遠方で移動が大変な方は、クリニックでの前処置をお勧めします。
医師・看護師が確認しながら洗浄剤を服用して頂けるので、安心して前処置を行うことが出来ます。
また、こちらで便の状態を確認しながら飲んでいただくので、早く腸の中が綺麗になれば、前処置薬の量が少なくて済む場合もあります。
■前処置終了後から実際の検査の流れ■
腸の洗浄が終わったらいよいよ検査の準備になります。
検査室へ
↓
【着替え】
ロッカーにて大腸カメラの検査着にお着換え頂きます。
↓
【点滴・鎮静剤】
ベッドに横になって頂き、点滴しながら鎮静剤(静脈麻酔)を行います。
鎮静剤は、「ぐっすりと眠った状態」や「苦痛を取り除いてボーっとして画面を見ながらの状態」など患者さんの希望に応じて量を調整します。
もちろんご希望のない方は、鎮静なしでも検査は可能です。
※当院では大腸カメラの検査自体、痛みの出にくい挿入法で行いますので、鎮静剤を使わない場合もあまり苦痛なく検査をお受け頂けます。
お薬は2-3分で効いてきますので、楽な状態になったら検査を開始します。
※鎮静剤の安全性については、こちらをご参照ください。
↓
【大腸カメラ検査】
検査時間は10-15分前後です。
ポリープを切除する場合は、ポリープ1個につき追加で3-5分程度かかります。
↓
【検査終了】
検査後はリカバリールームでしばらく安静にして頂きます。
(15分~60分程度※個人差があります。)
↓
【診察】
鎮静が切れたら診察室にご案内し、その日のうちに大腸カメラの検査結果をご説明致します。
■所要時間■
カメラが入っている時間はだいたい10分~15分程度です。
(ポリープ切除などを行うと多少長くなります。)
大腸カメラの検査は、まず一番奥まで入れてしまって、抜きながらしっかりと観察してくる検査となります。
奥に入れる際には素早くなるべく苦痛なく挿入し(1-5分程度)、病変がないかをじっくりとみながら抜去してきます(6-10分程度)です。
トータルでの所要時間は、前処置終了から診察終了まで60~90分程です。
※混雑時には+30分程度かかることがあります。
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<大腸カメラ目次>
1.大腸カメラってなに?
2.どんな人が受けるの?
3.大腸カメラの実際(検査の流れ・所要時間など)
4.当院の大腸カメラの工夫
5.ポリープ切除について
6.大腸カメラの費用
7.代表的な大腸の疾患
8.大腸カメラの検査予約
9.大腸カメラのQ&A
10. 大腸カメラの注意点
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