実際の診療例 “咳が全然治らない(逆流性食道炎)”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
30代 男性 咳が全然治らない
【症状】
半年ほど前から1日のうちに何度も咳が出るという症状があり、呼吸器内科を受診したところCTなどの画像検査は異常なく「軽い喘息」と言われ治療を行いましたが改善がなく、耳鼻科を受診しましたがこちらも異常はなく「逆流性食道炎かもしれない」と言われ当院を受診されました。
【診察・検査】
咳は断続的に続いており特に食後に強いような気もするとのことで逆流性食道炎の可能性はあり、内視鏡検査(胃カメラ)を行うこととしました。
実際に内視鏡では中等度の逆流性食道炎があり、咳の原因となり得ると考えました。
関連ページ:胃内視鏡(胃カメラ)
【治療】
逆流性食道炎の治療は
①胃酸分泌過多を抑える制酸剤
②胃の動きを改善させ逆流しないようにする運動機能改善薬
などを用いて行います。
今回は炎症が強いためPPIという制酸剤の薬と機能改善薬を合わせて処方することとしました。
咳は薬を服用し始めて徐々に減少し、2週間ほどでほとんどでなくなりました。
炎症自体も2週間ほどの服用で一旦は消失しますが、そもそも逆流性食道炎が起こる原因には生活習慣が大きく関わっており、その点の改善をしないとまたぶり返してしまうため、今回は生活習慣の改善も行いました。
特に今回問題となる習慣は
- 食べてすぐ横になる
- カフェイン摂取
点でした。
食べてすぐ横になってしまうと、食事内容が胃の中に滞ってしまい逆流し易くなります。
またコーヒーが好きで多い日は1日で8杯ほど飲むとのことでしたが、高カフェインは胃酸の分泌過多につながりこちらも逆流性食道炎を引き起こしやすくなってしまいます。
今回は
- 食後は2時間以上は横にならずに座位を保つこと
- コーヒーの飲む回数を減らすこと
などにも取り組んでいただきました。
関連ページ:なぜ逆流性食道炎は治らないのか?ぶり返すのか?
【経過】
その後も咳はなくご本人も改善した生活習慣の維持を続けておられることもあり、ぶり返しもなく安定した状態が続いています。
逆流性食道炎の症状としては、胸やけ・胸痛・食道のつまり感などが頻度が高いのですが、今回のように「咳が出る」という症状も実は起こりえます。
特に食後に増悪したりする咳の場合は逆流性食道炎由来の可能性もあり、なかなか治らない咳・食後の咳などが続く場合は内視鏡検査(胃カメラ)を受け状態を見てみることが大切です。
また当院では逆流性食道炎に対してオリジナルサプリi-katsuを使用した治療を行い非常によい改善率を得ています。
- 薬だけでは症状が取れない方
- 薬が副作用で飲めない方
- 薬を飲みたくない方など
はお力になれることもあるので是非ご相談ください。
※i-katsuを使った逆流性食道炎の治療例は “i-katsuの治療例” からご覧いただけます。
関連ページ:なぜ逆流性食道炎に「i-katsu」が効くのか?
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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