実際の診療例 “嘔吐反射が強すぎて胃カメラが受けられない”
当院を受診された患者さんの実際の診療経過です。
30代 男性 “嘔吐反射が強すぎて胃カメラが受けられない”
【症状】
以前から検診のバリウム検査でポリープを指摘され胃内視鏡(胃カメラ)を受けるように言われており、何度かトライしたものの嘔吐反射が強く途中で中止となっており、一度も内視鏡をきちんと受けれない状態でした。
友人が当院で内視鏡検査を苦痛なく受けれたとの話を聞き、何とか当院で内視鏡を受けることが出来ないかとのことで来院されました
【診察・検査】
以前の検査では通常の経口内視鏡では口に挿入しただけで嘔吐反射が起こってしまい全く検査ができず、鎮静剤を使って経鼻内視鏡での検査も鎮静剤がほとんど効かずに反射が止まらずに検査ができなかったとのことでした。
鎮静剤にも
- 反射を抑えるもの
- 眠りを促すもの
など種類があり、組み合わせることで効果をより発揮でき、また組み合わせたうえでそれぞれの量を調整することでしっかりと鎮静を効かせることが可能となるため、今回は鎮静剤を組み合わせて検査中でも量を調整できる体制を整えて経鼻内視鏡での検査を行いました。
内視鏡検査開始前に鎮静の組合せ・量をしっかりと調整し、眠りに入った状態になったことを確認して検査を開始しました。
今回は反射は全く起こらず、検査自体もスムーズに行うことが出来、無事に終了となりました。
胃にポリープは認めましたが、胃底腺ポリープと呼ばれるピロリ菌がいない方に発生する良性のポリープで、特に治療は必要ないものでした。
胃の内視鏡検査は嘔吐反射が強い方にとっては大変苦痛な検査ではありますが、今回のように鎮静剤を適切に選択し用いることで楽に受けることが可能です。
胃痛・胃もたれなどの症状の原因検索、病気の早期発見につながる大変有用な検査ですので、反射が強く検査がうまくいかない方・検査が怖くて不安な方はお力になれますので、是非一度ご相談ください。
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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)