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実際の治療例 “繰り返す胃痛”

[2023.10.09]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

30代 男性 繰り返す胃痛

【症状】

以前から週に1-2度の胃痛を繰り返しているとのことで、内視鏡検査(胃カメラ)を希望され来院されました。

 

【内視鏡検査】

内視鏡では胃潰瘍や胃がんなどの直接的な痛みの原因となる病変はありませんでしたが、萎縮性胃炎というピロリ菌感染による胃炎を認めました

ピロリ菌による萎縮性胃炎

 

 

【治療】

ピロリ菌による萎縮性胃炎があると、慢性的な胃の症状(胃痛・胃もたれ・腹満)などの症状が出ることがあり、まずピロリ菌の除菌治療を行うこととしました。※無症状の方もおられます

<治療内容>

HP菌除菌薬(制酸剤+抗生剤2種) を飲んでいただきました。

 

【経過】

除菌役を飲み終わってからしばらくすると胃痛を感じる頻度が少し減少し、服用1か月後にピロリ菌の除菌を呼気検査で判定したところ、無事にピロリ菌は除菌できていました。

このころには胃痛を感じる頻度はかなり減ったとのことで、一旦ご自身で経過を見て頂くことにしました。

 

除菌後1年経過し、内視鏡の再検査に来られた時には、胃痛はほぼ消失しており、快適に暮らしているとのことでした。

内視鏡検査でも胃がんの発生はなく、定期的な胃カメラを続ける方針としいます。

 

胃痛や張りなどの胃の症状はピロリ菌以外の疾患でも起こることもあるため、必ずしもピロリ菌が原因というわけではありませんが、ピロリ菌がいる方は除菌することで改善するケースも多く、慢性的な胃の症状がある方は一度ピロリ菌を調べてみる必要があると思います。

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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