実際の治療例 【薬で治らない過敏性腸症候群…大腸カメラで見つかった本当の原因】
「過敏性腸症候群」と診断されて薬を続けているのに、症状が一向に良くならない──
そんな場合は、もしかすると別の病気が隠れているかもしれません。
今回ご紹介するのは、数年間続く下痢や腹痛で悩み、他院で過敏性腸症候群と診断されたものの改善が見られず、当院を受診された20代男性の症例です。
大腸カメラによって潰瘍性大腸炎が発見され、適切な治療で症状が改善しました。
似た症状でも全く異なる病気の可能性があるため、改善ない場合には大腸内視鏡検査が重要です。
20代 男性 過敏性腸症候群が治らない
【症状】
数年前から一日数回の下痢と腹痛があり、近医にて過敏性腸症候群と診断され投薬治療を受けていましたが、症状が改善せず不安を感じて当院を受診されました。
【診察】
症状はストレス時に悪化するとのことであり過敏性腸症候群の症状としても矛盾はありませんでしたが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的に腸に炎症を起こす炎症性腸疾患も否定はできない症状でした。
前医では検査はせずに症状のみで過敏性腸症候群と診断されており、ご本人と相談し大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で腸の状態を確認してみることとしました。
【検査】
大腸内視鏡行うと大腸全体に広がる炎症を認め、生検を行い潰瘍性大腸炎と診断しました。
大腸内視鏡画像です。 大腸粘膜全体に潰瘍性大腸炎と思われるびらん(黄色矢印部分)・炎症によるうっ血(青丸部分)を認めました。
【治療】
潰瘍性大腸炎とは、「体内に侵入したウイルスや細菌などの外的を攻撃する免疫細胞(白血球など)が、大腸粘膜や腸内細菌を敵と誤認して攻撃してしまい、大腸の粘膜に慢性的に炎症を起こす病気」です。
大腸に炎症を来すことで、腹痛・下痢・血便などの症状を来します。
根本的な治療法が今のところはない難病の一つですが、炎症自体は薬で抑えることが可能で、継続的に薬を使っていく必要があります。
今回も患者さんにご説明し、投薬治療を開始しました。
<治療内容>
潰瘍性大腸炎に対しての抗炎症薬(5-ASA)製剤の投与
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【経過】
治療開始すると1週間ほどで下痢・腹痛はかなり改善し、2週間ほどで腹痛は消失し、通常便になりました。
状態的には薬で症状が消えた状態=寛解状態となりました。
ただ、潰瘍性大腸炎や薬をやめると高確率で再燃するため、投薬を継続し寛解状態を維持していく必要があります。
【まとめ】
最初に他院で診断された、過敏性腸症候群は「腸に炎症や腫瘍などの異常がないにも関わらず起こる腹痛や便通異常をきたす疾患」です。
ストレスや緊張で悪化しやすいのが特徴ですが、潰瘍性大腸炎も同じように腹痛や便通異常をきたし、かつストレスで増悪することもあり、
症状が合致するからと言って必ずしも過敏性腸症候群とは言えません。
今回のように症状が治らない場合はもちろん、過敏性腸症候群と診断する際にはしっかりと大腸内視鏡などの検査することが重要です。
症状でお悩みの方はお力になれますので一度当院にご相談ください
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
