実際の治療例 【食後に痰が絡んで取れない】
「食後になると痰が絡んで咳払いが止まらない…」
症状に困っているのに、耳鼻科や内科で異常が見つからず、薬も効かない。
実は、こうした症状の背後には「逆流性食道炎」が隠れているケースも少なくありません。
当院で実際に診療した、“痰がらみ”に悩まされていた30代男性の症例をもとに、胃カメラで明らかになった“その原因”と、その後の治療・再発予防までの流れを詳しくご紹介します。
同様の症状ででお困りの方は、当院ではWEB予約・電話予約を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
症例|30代男性「食後に痰が絡んで取れない」
【症状】
数か月前から食後に痰が絡むような感覚があり、症状が続くため耳鼻科を受診されました。
同院で喉のスコープ(喉頭ファイバー)検査やアレルギー検査を受けましたが異常なく、逆流性食道炎ではないかと言われ投薬治療となりました。
2週間ほど薬を続けたものの改善なく、近くの内科を受診され薬を変更されましたが、やはり改善なく当院を受診されました。
【診察】
痰がらみは主に食後に起こるとのこと耳鼻科での異常がないことから、当院でも逆流性食道炎の可能性は高いと考えました。
胃カメラ(内視鏡検査)はまだ受けていないとのことで、胃カメラを行い状態を状態を確認することとしました。
【検査】
胃カメラでは胃と食道のつなぎ目部分に炎症を認め、逆流性食道炎の診断となりました。
実際の内視鏡画像です。胃と食道のつなぎ目に線状の炎症(黄色部分)を認め、GradeAの逆流性食道炎と診断しました。
【逆流性食道炎とは?】
逆流性食道炎とは胃酸の分泌過多や胃や食道の動きの低下により、胃酸が胃から食道に逆流し、胃と食道のつなぎ目の部分に炎症が起きている状態です。
胸やけやげっぷ・のどの違和感や今回のように食後の痰がらみなど様々な症状を引き起こします。。
【治療】
逆流性食道炎の治療は
- 胃酸の分泌過多を抑える制酸薬
- 胃の動きを改善し胃酸の流れをよくする機能改善薬
- 逆流性食道炎を引き起こす生活習慣の改善
を軸に行っていきます。
今回も前医で制酸剤が処方されていましたが、効果が弱いものであり症状の改善が得られなかったと考え、逆流性食道炎に適した制酸剤への切り替えを行い、
併せて胃の動きを改善する漢方の処方を行いました。
制酸剤はどれも同じわけではなく効果に差があるため、胃カメラで逆流性食道炎の状態を見極め、状態に合わせた適切な薬を選択することが重要です。
また、今回は逆流性食道炎を引き起こしやすい生活習慣として
- 毎日の飲酒
- 辛いものを好む食生活
がありました。
アルコール摂取をすると食道運動機能が低下してしまい、逆流し易くなります。
刺激物や香辛料摂取は胃酸の分泌過多につながり、こちらも逆流性食道炎を引き起こしやすくなってしまいます。
以上から
- 休肝日を作ること、寝酒をしないこと
- 刺激物や香辛料の強い食事を2食連続してとらないこと にも取り組んでいただきました。
【経過】
投薬開始後、2日ほどで痰がらみの程度が低下してきて、2週間ほどで症状は消失し、一旦薬は終了としました。
そして逆流性食道炎はぶり返しやすく本人からは再発予防の希望があり、引き続き生活習慣の注意点を守ることと、当院オリジナルサプリのi-katsuを飲んで頂くこととし、その後も再発なく経過されています。
なぜi-katsuが逆流性食道炎に効果的なのか?
「ぶり返しやすい」理由
多くの方が制酸薬で改善しても、服薬をやめると症状が再発します。
これは“胃酸リバウンド”と呼ばれる現象で、薬により一時的に抑えられていた胃酸分泌が、急激に回復しすぎるために起こります。
i-katsuにできること
✅胃酸の状態を適切に保つことで、逆流性食道炎の予防に効果
✅制酸剤中止後の“リバウンド現象”を抑制
✅乳酸菌+生薬のみで構成 →副作用が出ることはほぼなく 長期服用でも安心
i-katsuはこんな方におすすめです
-
胃薬をやめるとすぐに症状が戻ってしまう
-
薬に頼らず、体質から整えたい
-
軽い症状のうちに予防したい
-
長期的な再発防止をしたい
▶ i-katsuの詳しい効果は【こちら】
▶i-katsuによるその他の治療例は【▶こちら】
まとめ
このように逆流性食道炎は、
- 状態をきちんと把握して適切な投薬を行うこと
- ぶり返しやすいためきちんと予防を行っていくこと
が重要です。
当院では、胃カメラでの診断から薬の選択、予防指導やi-katsuの服用と、診断・治療・予防と一貫して対応しています。
症状にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問FAQ
Q1. 食後に痰が絡むのは喉や肺の病気ではないのですか?
A. 喉や気管支に異常がなくても、胃酸が逆流して咽頭を刺激することで痰が絡むことがあります。耳鼻科で異常がないときは逆流性食道炎を疑います。
Q2. 胃カメラを受けないと逆流性食道炎は分かりませんか?
A. 多くの場合は症状や内服の効果で診断できますが、確実に判断するには胃カメラが最も有効です。病変の程度に応じて適切な薬を選べます。
Q3. 薬を飲んでも良くならないのはなぜ?
A. 制酸剤には種類があり、効果に差があります。症例に合った薬を選ぶことが重要です。
Q4. 再発予防には何が大切ですか?
A. 生活習慣(飲酒・辛い食べ物・寝酒など)の改善に加え、服薬終了後に起こる「胃酸リバウンド」対策が重要です。当院ではi-katsuの活用も行っています。
Q5. i-katsuはどんな人に向いていますか?
A. 胃薬をやめるとすぐ症状が戻る方、薬に頼らず体質改善したい方、軽いうちに予防したい方に適しています。
▶関連ページ:なぜ逆流性食道炎に「i-katsu」が効くのか?
Q6. 逆流性食道炎は痰や咳だけの症状でも起こりますか?
A. はい。胸やけがなくても、咳や痰の絡みといった「喉頭症状型GERD」と呼ばれるタイプがあります【1】。
Q7. 胃カメラを受けずに薬だけで治療してもいいですか?
A. 軽症例では可能ですが、症状が続く場合は胃カメラで確実に診断・炎症の程度を確認することが重要です【2】。
Q8. i-katsuは病院の薬と一緒に飲めますか?
A. はい、基本的に問題ありません。乳酸菌と生薬が主成分のため副作用が少なく、制酸剤や機能改善薬と併用できます
Q9. 生活習慣はどのくらい改善すれば効果がありますか?
A. 毎日の飲酒や刺激物摂取を控えるだけでも症状が大きく改善することがあります。完全な禁酒でなくても「休肝日を設ける」ことが効果的です【1】。
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
📞お電話でのお問い合わせ:03-5940-3833
参考文献
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日本消化器病学会. 逆流性食道炎診療ガイドライン 2021. 南江堂.
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Vakil N, et al. The Montreal definition and classification of gastroesophageal reflux disease: a global evidence-based consensus. Am J Gastroenterol. 2006;101(8):1900–1920.
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Katz PO, Gerson LB, Vela MF. Guidelines for the diagnosis and management of gastroesophageal reflux disease. Am J Gastroenterol. 2013;108(3):308–328.
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日本消化器内視鏡学会. GERD(逆流性食道炎)の内視鏡診断と治療指針. Gastroenterol Endosc. 2019;61(1):35–47.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)