【実際の治療例】背中の痛み…原因は食道?|逆流性食道炎で起こる背部痛と治療について
「背中の痛み」というと、まず整形外科や筋肉の異常を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実は胃や食道など内臓の病気が原因のこともあります。
今回は、整形外科で異常が見つからず、当院で逆流性食道炎が原因と分かったケースをご紹介します。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
実際の治療例|50代男性「背中の痛みが続いている」
【症状】
数か月前から背中に断続的な痛みを感じていたとのこと。
整形外科でレントゲン・MRIを受けましたが異常なし。
「内臓の病気かも」と不安になり、当院を受診されました。
【診察】
診察時、鑑別疾患として以下を考えました。
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逆流性食道炎
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胃潰瘍・十二指腸潰瘍
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胆石・胆嚢炎
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膵炎・膵臓がん
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肋間神経痛
状態を確認するため、腹部エコー・胃カメラ(上部消化管内視鏡)を実施しました。
【検査】
腹部エコーでは胆のう・膵臓に異常は認めせんでしたが、
胃カメラの結果、食道下部にびらんと発赤を伴う逆流性食道炎を認めました。
内臓痛は体の奥で感じるため、食道や胃の炎症が背中に響くような痛みとして自覚されることがあります。
■実際の胃カメラの画像■
胃と食道のつなぎ目に胃酸の逆流による炎症を認め、逆流性食道炎と診断し、背中の痛みと原因と考えました。
【治療と経過】
プロトンポンプ阻害薬(PPI)による胃酸抑制と、**当院オリジナルサプリ「i-katsu」**を併用開始。
2週間ほどで背中の痛みが軽減し、1か月後には症状がほぼ消失。
その後は再発予防としてi-katsuを継続されています。
i-katsuについて
i-katsuには、胃に働く乳酸菌と生薬が含まれています。
| 成分の作用 | 効果 |
|---|---|
| 胃酸分泌の調整 | 過剰な酸の分泌を抑える |
| 胃の運動をサポート | 逆流を抑え胸やけややムカつきの軽減 |
| 胃内細菌叢を整える | 逆流を起こしやすい体質改善と予防 |
i-katsuは上記のように胃酸の分泌過多を適正化する作用・胃の動きを改善する作用を持っており、
当院では逆流性食道炎の方の治療に用いており高い効果をあげています。
胃内細菌叢と機能性ディスペプシアの関連
同じようなストレスや疲れでも、胃の症状や胸やけを発症する人としない人がいます。
その違いの一因として注目されているのが「胃内細菌叢」です。
胃の動きの低下を起こす方の細菌叢には病原性を持つエスケリキア属が多数検出という異常が確認されています。
i-katsuはこの胃内細菌叢を整える乳酸菌を配合しており、
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胃の動きを改善し逆流を防ぐ
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症状を繰り返さない胃内細菌叢=体質づくり
の両方を同時にサポートします。
i-katsuによるその他の治療例は【▶こちら】
院長からのコメント
「逆流性食道炎=胸やけ」というイメージが強いですが、実際には胸やけがないタイプの逆流性食道炎(非定型症状)も少なくありません。
背部痛・咽頭違和感・咳・しゃっくりなどの形で現れることもあります。
胸やけ以外に逆流性食道炎でみられる主な非典型症状
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背中の痛み・肩こり様の違和感
→ 食道の炎症が背部に放散痛として伝わることがあります。 -
のどの違和感(咽喉頭異常感症)
→ 「のどに何かが引っかかる感じ」「つまる感じ」が続く。 -
慢性的な咳・喘息様症状
→ 胃酸がのどや気道を刺激して咳が出やすくなります【1】。 -
声のかすれ(嗄声)
→ 声帯付近の炎症によるもの。 -
胸の締めつけ・圧迫感
→ 心臓ではなく、食道の炎症によることも。 -
しゃっくり・げっぷの増加
→ 胃内圧上昇や逆流反射によって起こります。
注意ポイント
これらの症状は、呼吸器・循環器・整形外科的疾患とも似ているため、
「他科で異常がないのに症状が続く」場合は、消化器内科での精査が重要です。
当院では、胃カメラ検査で食道粘膜を直接確認し、逆流や炎症の程度を正確に評価できます。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
📞 お電話でのご相談:03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 背中の痛みが胃の病気で起こるのはなぜ?
A1. 胃や食道の炎症による痛みは、神経を介して背部に放散することがあるためです【1】。
Q2. 背中の痛みだけで胃カメラを受けたほうがいいですか?
A2. 整形外科で異常がなく、胃もたれや胸やけを伴う場合は、胃カメラで確認することをおすすめします【2】。
Q3. 逆流性食道炎で背中が痛むことは多い?
A3. 典型的ではありませんが、特に長期化した炎症では背部痛として感じる方もいます。
Q4. 膵臓の病気とどう見分けますか?
A4. 血液検査・腹部エコーなどを併用し、膵酵素の上昇や腫瘤の有無で鑑別します【3】。
Q5. 再発を防ぐには?
A5. 食後すぐ横にならない・就寝前3時間は食べない・i-katsuなどの胃酸バランス改善が有効です。
Q6. 背中の右側と左側で原因は違う?
A6. 右側は胆のう・肝臓、左側は胃・膵臓などの関与が多い傾向です。
Q7. 背部痛が夜間に強いのはなぜ?
A7. 横になると胃酸が逆流しやすくなるため、就寝時に症状が強くなることがあります。
Q8. 整形外科と消化器内科、どちらを先に行けばいいですか?
A8. まず整形外科で骨・筋肉異常を除外し、異常がなければ消化器内科の受診が理想です。
まとめ
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背中の痛みの原因が「胃・食道」由来のことがある
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胃カメラで逆流性食道炎が確認できる
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薬とサプリ(i-katsu)の併用で症状改善
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整形外科で異常がない場合は内臓の検査も大切
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
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参考文献
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Iwakiri K. Gastroesophageal reflux disease in Japan: what is known and what is needed. J Gastroenterol 2022.
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日本消化器病学会 ガイドライン 2021年版.
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国立がん研究センター:膵臓がん情報.
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Katz PO et al. AGA Clinical Practice Update on the Risks and Benefits of Long-term PPI Use. Gastroenterology 2023.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
