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実際の治療例 “ペニシリンアレルギーでピロリ菌除菌ができない”

[2024.03.11]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代 女性 ペニシリンアレルギー

症状

自覚症状はとくにないものの、以前からピロリ菌がいると指摘されていましたが、前医にて「ペニシリンアレルギーがあるため除菌できない」と言われ、未除菌のままになっており当院に相談に来られました

 

診察】【検査

現在もピロリ菌がいるのかどうか調べるために尿素呼気検査を施行すると高値を示し、現在も感染状態でした。

胃カメラも最後に施行したのが4年ほど前とのことでしたので、胃カメラを施行し、胃がんの有無やピロリ菌の感染による胃炎の状態を確認することにしました。

 

幸いにも胃がんは認めませんでしたが、ピロリ菌感染による高度の萎縮性胃炎を認めました。

実際の内視鏡画像です。 ピロリ菌感染が起こると萎縮性胃炎という慢性胃炎を起こします。 写真のように粘膜の凹凸が不整化し、色調も赤白のまだらな模様を呈します。

 

関連ページ:萎縮性胃炎 胃内視鏡(胃カメラ)

 

治療

ピロリ菌の除菌には通常はペニシリンを含む抗生剤制酸剤を併用しますが、ペニシリンアレルギーの方にはペニシリンを使用しない抗生剤の組み合わせでピロリ菌の除菌を行うことにしました。

 

<治療内容>

ピロリ菌除菌薬(制酸剤+非ペニシリン系抗生剤2種) を飲んでいただきました。

 

 

経過

除菌薬服薬中もアレルギー反応はなく、服用終了後1か月ほど期間をあけ、尿素呼気試験にてピロリ菌の除菌完了を確認しました。

 

前述のように通常ピロリ菌の除菌にはペニシリン系の抗生剤を使用するため、ペニシリンアレルギーがあると除菌できないと思われる方が多いですが(実際今回のケースのように医師ですら勘違いしているケースも多々あります)、ペニシリンを使用せずとも除菌はできます!

保険診療でも治療は行えるため、当院ではペニシリンアレルギーの方にも積極的に除菌を行っております。

関連ページ:ピロリ菌外来

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

 

■関連ページ■

ピロリ菌外来

萎縮性胃炎

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胃内視鏡(胃カメラ)

 

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