実際の治療例 “2日前から感じる右側ののどの異物感・違和感と痛み”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代 女性 2日前から感じる右側ののどの異物感と痛み
【症状】
2日前に朝起きるとのどの右側に異物感があり、朝食を食べると痛みがあり持続するとのことで耳鼻咽喉科を受診したところ、特に異常はなくストレス性と言われ漢方を処方されましたが、全く改善なく翌日当院を受診されました。
【診察】
喉の右側に限局する痛みであり、ストレス性というより咽頭周囲の炎症や食道疾患などを考え、まずは痛みのある部位をエコー検査してみることとしました。
【検査】
エコー検査を行うと食道潰瘍を疑う所見があり、内視鏡検査(胃カメラ)を行うこととしました。
内視鏡検査では食道に潰瘍を認め症状の原因と判断しました。
【治療】
症状が出る前日に薬を飲んだ際に詰まったような感じがあり、食道に薬が停留してしまい粘膜に傷害を与えて潰瘍化してしまったと考えられます。
このような潰瘍に対しては粘膜保護剤などの投薬と、潰瘍部分を刺激しないように熱い物や辛い物などの摂食を控えて頂き経過を見ます。
<治療内容>
潰瘍に対しての投薬治療、刺激物やアルコールを避ける
【経過】
治療を行うと翌日には症状はかなり改善し、1週間後の再診の際には全く気にならない状態まで改善しており、内視鏡検査の際に施行した生検の結果も悪性所見はなく、症状の改善をもって診療終了となしました。
突然始まるのどや胸のつまりの症状は病気のことも多く、診断がつけば速やかに治療ができるため早めに医療機関を受診し、のどのエコー検査や胃カメラなどの検査を受けることが重要です。
その他の喉の違和感やつまり感などの治療例についてもご紹介しているので、もしよければご参考にされてください。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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