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実際の治療例 “食べ物を飲み込む時につまる感じがする(食道カンジダ)”

[2023.11.13]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

30代 女性 食べ物を飲み込む時につまる感じがする

 

【症状】

以前から食べ物を飲み込むときにのどに詰まったような感じがするとのことで耳鼻科を受診したところ、診察や喉頭ファイバーを行い異常はなく「逆流性食道炎」と診断され投薬治療となり、1か月ほど薬を続けたものの改善しないとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

耳鼻科で喉頭ファイバー(鼻から細いカメラを入れて喉を見る検査)は行ったとのことでしたが、胃内視鏡(胃カメラ)はまだ受けていないとのことで、実際に逆流性食道炎があるのかどうかや他の食道疾患の可能性を探るため胃内視鏡を行うこととしました。

 

【検査】

内視鏡検査では逆流性食道炎は認めませんでしたが、食道に白斑を認め食道カンジダ症と診断しました。

青い丸で囲まれた領域にカンジダ菌の塊となった白斑を認めます。この内視鏡所見から食道カンジダ症と診断しました

 

関連ページ:食道にカビが生える!?食道カンジダ症とは?

 

【治療】

食道カンジダ症はもともと食道の中にいる常在菌のカンジダ菌が繁殖した状態です。

症状がなければ経過観察することもありますが、今回のように飲み込む時のつまり感などがあるケースでは投薬による治療を行います。

 

<治療内容>

カンジダ菌に効果のある抗ウィルスの服用。

 

【経過】

服用開始して数日後から飲み込む時のつまり感の症状は和らぎ2週間後の再診の際には症状は改善したとのことでした。

 

飲み込んだ時のつまり感は、耳鼻科領域で異常がない際に逆流性食道炎による症状と診断されることも少なくなくないのですが、今回のようにカンジダのような別の疾患による症状だったということも度々経験します。

(もちろん実際に逆流性食道炎で起こることもあります)

 

これは耳鼻科領域では中々胃カメラの検査ができないため、症状から「逆流性食道炎」だろうという先入観から誤診されてしまうことが要因です。

 

逆流性食道炎の場合はPPIと呼ばれる制酸剤で改善するケースが多いため、改善されない場合は、本当に逆流性食道炎なのかも含め胃カメラを受けて状態をチェックすることが重要です。

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

 

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