【機能性ディスペプシア】「異常がない」のに治らない胃の不調|原因・検査・治療を専門医が解説
「胃が痛くて病院で検査したけど異常がないと言われた」
「胃薬を飲んでも良くならない」
「精神的なものだと言われてしまった」──
そんな経験はありませんか?
実はその症状、“機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)”が原因かもしれません。
日本人の約10%が悩んでいるとされるこの病気は、検査では異常が出ないため軽視されがちですが、放置すると日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
この記事では、機能性ディスペプシアの原因・必要な検査・治療について、実例も交えて消化器内科専門医の院長が詳しく解説していきます。
また当院では、無痛胃カメラや腹部エコーを用いた丁寧な診断と、体質や生活習慣に合わせた治療を行い、漢方やサプリを用いた再発予防までサポートしています。
症状でお困りの方はお力になれますのでご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
機能性ディスペプシアとは?その原因は?
機能性ディスペプシアとは、食道や胃・十二指腸、その他の内臓に病気がないにも関わらず、
「胃の機能の異常」や、「食道・胃の粘膜の知覚過敏」などで、
胃痛・はり・もたれ・吐き気などが起こる状態です。
以前は「神経性胃腸炎」や「胃が弱い」などと表現されていた疾患になります。
機能性ディスペプシアは日本人の10%程度に見られ、実際に胃痛・胃もたれなどの胃の症状を訴えて受診する方の約半数が機能性ディスペプシアが原因と言われています1)。
胃の機能について
1.胃酸の分泌:胃酸が分泌過多になると粘膜を刺激して不快感や痛みの原因になります。
2.食べ物の排出:胃の排出機能がおちると、もたれや吐き気・張りや食欲不振が起こります。
胃や腸は意識しないでも勝手に動いている臓器で、この動きをコントロールしている神経を自律神経と言います。
ストレスや疲れ・不規則な生活(アルコール・不眠・疲れ)などの外的な要因が加わると、自律神経の乱れが生じたり、胃の粘膜に負担がかかることで胃が機能異常を来し、胃酸分泌過多や胃の排出機能の低下や膨らみの低下といった運動異常が起こります。
また、胃や腸の粘膜は非常にデリケートなので、ストレスなどの外的要因によって知覚過敏になることもあり、
通常の胃酸の刺激や腸の動きを違和感・痛みと誤認してしまうこともあります。
このような胃酸分泌過多や胃の運動異常・知覚過敏によって機能性ディスペプシアが発症します。
機能性ディスペプシアを起こしやすい体質について
同じようなストレス環境や生活環境にあっても症状を発症する方とそうでない方がいるのは、
遺伝や胃の形の違い、胃内細菌叢などの体質的な要素も関わってきます。
胃内細菌叢と機能性ディスペプシアの関係
体質的な要因の一つに“胃内細菌叢によって形成される胃内環境”が関わっていると言われています。
健常な方と機能性ディスペプシアの方とで胃液の細菌叢構成を調べてみると、機能性ディスペプシアの方では典型的な腸内常在菌属であるバクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属などに加え、病原性を持つエスケリキア属が多数検出されています。
機能性ディスペプシアの方に特定の乳酸菌の摂取を続けてもらうと、胃内細菌叢の異常の大部分が是正され、胃の症状も改善していたとの報告があり12)、胃内細菌叢の改善が機能性ディスペプシアを起こしにくい体質づくりにつながる可能性があります。
機能性ディスペプシアを引き起こす要因としてわかっているもの
体質的な要素
- 遺伝的要因2)
- 生育環境3)
- 胃の形4)
- 胃内細菌叢5) など
外的な要因
- ストレス6)
- 感染性胃腸炎7)、
- 運動・睡眠不足8)
- 食事内容(高脂肪食・香辛料)や食習慣(食べ過ぎ)などのライフスタイル8)
- 薬剤(抗不安薬・抗うつ剤など)
など
症状は?
胃酸の分泌過多や胃の動きの不具合によって
・みぞおちや胃の痛み、上腹部の違和感
・胃や上腹部のはり、胃もたれ
・すぐにお腹いっぱいになる(早期腹満感)
・吐き気、むかつき
・食欲不振
などが起こります。
検査は?
機能性ディスペプシアは、症状の原因となる他の病気がないことをしっかり調べたうえで初めて診断されます。
(例えば、胃痛・胃もたれといった症状であれば、機能性ディスペプシアの他に胃潰瘍や胃がん、膵臓や胆のう疾患などの可能性もあります。)
腹部エコー
外から膵臓や胆のうなどの上腹部の内臓の状態を確認します。また大きな胃潰瘍・十二指腸潰瘍はエコーでもわかります。
血液検査
痛みの原因となる炎症などがないかを確認します。
胃内視鏡検査(胃カメラ)
実際に胃の粘膜の状態を確認し、症状の原因となる病気(胃炎・潰瘍・がん)などがないかを調べます。
また内視鏡上異常がないように見えても、前述の粘膜の知覚過敏を引き起こす微小炎症の有無を調べるため生検を行うこともあります。
※特に感染性胃腸炎後の機能性ディスペプシアには微小炎症を起こしていることが多い16)と言われています。
胃カメラと聞くと不安や恐怖心を抱かれる方もおられると思いますが、当院では苦痛なく検査をお受け頂ける無痛胃カメラを行っております。
▶関連ページ;
・エコー検査|実際の流れや検査で分かる病気の詳細がご確認いただけます
・胃内視鏡(胃カメラ)|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
治療は?
検査をして異常がなければ機能性ディスペプシアと考え治療を行います。
胃の機能改善薬
①胃酸の分泌過多を正常化するような制酸剤
②胃の動きを改善し、お腹の張りやもたれを改善するような消化管運動改善薬を使います。
漢方薬
粘膜の知覚過敏を抑えたり、動きを健全化させてくれる作用のある漢方薬を使います。
また漢方薬は「胃が弱い」といったような体質を改善するのにも役立ちます。
抗炎症薬
粘膜の知覚過敏に関与する微小炎症に対しての抗炎症薬を用いることもあります。
PPIと呼ばれる制酸剤には胃酸を抑えるだけでなく微小炎症を抑制する作用もあることがわかってきており、相乗効果を期待して多くの場合は抗炎症薬とPPIを組み合わせて使用します。
胃のサプリi-katsu
機能性ディスペプシアの発症には、前述のように胃内の常在細菌叢の変化が関わっているとの報告があり、当院では胃内細菌叢を改善させたり、胃酸の分泌過多や動きを改善させるオリジナルのサプリ「i-katsu」による治療も行っております。
▶関連ページ:
- 胃腸内科が作ったサプリ i-katsu;i-katsuの詳細がご覧いただけます
生活習慣の改善
食生活の見直し、ストレスが多い場合は休養など
①高脂肪食を避ける
脂肪分は胃の動きを低下させる作用があるため、もたれ感や張り・違和感などの要因になります。
特に揚げ物やクリームの多いデザートなどは避けたり、2食連続して食べないように心がけましょう。
②アルコール、香辛料、高カフェイン(ブラックコーヒーなど)
胃の粘膜を刺激して酸の分泌が強くなるため、症状が出ている際には避けるようにします。
③早食いをしない
食事が形が大きいまま胃の中に入れたり、胃の中に入ってくる量が多いと、とどまる時間も長くなり消化に時間もかかるため、張りや胃もたれの要因になったり、胃酸の分泌も増加し胃痛の要因になります。
また、胃は食事開始後15~20分で動きが強まってくるため、胃の動きに合わせて早食いをせずゆっくり食べることで、症状が出にくくなります。
さらにしっかりとよく咀嚼することで、迷走神経という自律神経が刺激され、胃が動きもよくなるというよい循環が生まれます。
④回数を分ける
ゆっくり食べてもすぐ満腹になったり、食欲が出ない場合は、一回の量を抑えて回数を増やす方法もあります。
無理矢理食べることで、胃に負担になったり、そのことがストレスになりさらに機能性ディスペプシアを悪化させることもあるため、症状が安定するまでは1日5-6食に分けて頂くこともあります。
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なぜ「治らない」のか?その4つの理由とは?
機能性ディスペプシアは冒頭のように治療を受けても治らないというケースが多く見受けられますが、「治らない」のにも理由があります。
理由①薬があっていない
機能性ディスペプシアの直接的な要因としては
- 胃と十二指腸の運動異常
- 胃酸分泌過多
- 内臓知覚過敏
が挙げられます。
ご自身の胃の症状が上記のどの状態によって引き起こされるのかをしっかり把握した上で投薬を行わないと症状を治すことができません。
実は同じ「胃もたれ」の症状についても、胃の動きが落ちて食事が滞留しておこるのか、胃酸の分泌過多によってもたれが生じるのか(胃酸は出すぎても粘膜を刺激して胃もたれ感を感じます)によって使う薬が全く変わります。
同じ「胃もたれ」でも原因が違う
治療ガイドラインでもまず最初の治療と位置づけされる制酸剤は、胃酸分泌過多の症状には効きますが、動きが落ちて胃もたれが出ている方には全く効果がない薬となります。
ですので、ただ漫然と投薬を行うのではなく、症状から胃の状態を考え検査を行い、機能性ディスペプシア症状をもたらす直接的要因を把握して適切な薬を使用することが大切です。
理由②外的因子が解決していない
機能性ディスペプシアの症状の原因となる胃の運動異常・胃酸分泌過多などは、外的因子(ストレスやライフスタイルなど)によって引き起こされます。
適切な薬を使い胃の機能のコントロールを行っても、強いストレスがつづく場合や機能性ディスペプシアの引き金になっているライフスタイルを変えないと、症状が中々取れなかったりぶり返しやすくなります。
当院では投薬治療を行うと同時に、適切な食事指導やライフスタイルの改善指導なども治療の一環として合わせて行い、治療の効率化・再発予防にも取り組んでいます。
理由③体質的な要因に対しての治療が難しい
同じようなストレス環境やライフスタイルであっても機能性ディスペプシアを発症する人とそうでない人がいます。
これには「機能性ディスペプシアの原因」のところで用いた図の一番上にあたる「体質的な要因」が関わってきます。
残念ながら遺伝的な素因や胃の形などを変えることはできませんが、前述のように機能性ディスペプシアの方に特定の乳酸菌の摂取を続けてもらうことで胃内細菌叢の異常の大部分が是正され胃の症状も改善していたとの報告があり、
“胃内細菌叢によって形成される胃内環境”をコントロールすることで機能性ディスペプシアになりやすい体質を変えていくことができる、と考えています。
現在の所は薬として胃内細菌叢を是正するようなものはありませんが、当院ではオリジナルの胃由来の乳酸菌のサプリを使用することで胃内環境を適正化する診療を行い、より深い部分での機能性ディスペプシアの治療にも取り組んでいます。
▶関連ページ:なぜi-katsuは機能性ディスペプシアに効くのか?
理由④そもそも診断が間違っている
機能性ディスペプシアは「検査しても何も異常がないにも関わらず、胃の症状で悩まされる状態」を指しますが、実際に機能性ディスペプシアと診断されている方の中に、別の病気の方がおられることがあります。
当院でも他院で機能性ディスペプシアと診断され治らないと受診された方で、調べてみると胃がんが見つかったり膵炎がみつかったりすることもあります。
これは機能性ディスペプシアの診断にあたり症状や年齢だけで判断されてしまい、きちんと検査をしないことが原因であり、胃カメラ・腹部エコー・レントゲン・血液検査などを行い病気が潜んでいないかを見極めることが重要です。
実際の治療例
ケース① 20代 女性 食後の胃痛
【症状】
以前から胃が痛くなることが多かったが、社会人になってから胃痛の頻度が増え、最近は食事をとると痛みが出て、あまり食事をとれず体重も減ってきたとのことで当院を受診されました。
【診察】
食後に増強するとのことから胃潰瘍や胆石・膵炎、環境が変わったことを契機に症状が悪化したとのことから機能性ディスペプシアなどを考えました。
【検査】
腹部エコーにて肝胆膵の状態を、胃内視鏡検査(胃カメラ)を行い胃の状態の検査を行いました。
腹部エコーでは、肝胆膵などの上腹部の臓器に痛みの原因となるような異常は認めませんでした。
また、胃カメラでも幸いなことに、胃の中に病変はなく、ピロリ菌もなく異常所見はない状態でした。
【治療】
以上から機能性ディスペプシアと診断しました。
機能性ディスペプシアは、前述のように病変がないにも関わらず、心因的ストレス・疲労などの身体的ストレスなどが原因となり胃酸分泌過多や胃の粘膜の知覚過敏を生じることで、胃痛が生じます。
治療としては、制酸剤・粘膜保護剤を飲んでいただきました。
①制酸剤:胃酸分泌過多を抑えることで、胃痛が出ないようにします。
②胃粘膜保護剤:胃の粘膜を刺激から保護し、痛みを抑えます。
【経過】
内服開始してしばらくすると胃痛は6割くらいになったものの、完全には取れない状態でした。
胃酸分泌過多だけではなく、粘膜の知覚過敏も関与していると考え、知覚過敏を抑えるような漢方薬を追加したところ、痛みは徐々に改善しました。
今回の胃痛は環境の変化によって悪化しており、今後変化に体が順応することで落ち着くと考えますが、しばらく時間がかかりそうとのことで、そのまま薬と漢方を継続し経過を見ています。
【院長からのコメント】
機能性ディスペプシアの胃痛は粘膜の知覚過敏も関与しているといわれ、制酸剤があまり効かない場合に知覚過敏を抑える漢方が有効なケースが多く見られます。
当院でも漢方を組み合わせる治療も積極的に行っております。(漢方も保険診療にて処方できます。)
お困りの方はご相談ください。
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ケース② 30代 女性 食べるとすぐに満腹になってしまう
【症状】
2-3か月前から家庭内でのストレスがあり、その頃から食べるとすぐに満腹になってしまい、病気ではないかと心配になり来院されました。
【診察】
触診上は腹部特に問題なく、ストレスを契機に症状が悪化したとのことから機能性ディスペプシアなどを考えました。
ただ、胃がんや胃の周囲の臓器の病気による圧迫でも同様の症状が起こるため、まずは腹部エコーや胃カメラで状態を確認しました。
【検査】
腹部エコー:胃の周囲からの圧迫などの異常は認めませんでした。
胃カメラ:ガンなどの病変はなく、ピロリ菌もなく異常所見はない状態でした。
【治療】
以上のように検査では特に疾患はなく、機能性ディスペプシアと診断しました。
食べると胃がすぐに満腹になることを、早期飽満感といい、機能性ディスペプシアの中でも適応性弛緩や排出機能の低下といった胃の動きの異常で生じてきます。
胃の中に食べ物が入ると、食べ物を受け入れるため胃の筋肉が弛緩し膨らみ(「適応性弛緩」と言います)、蠕動を起こし食べ物を排出します。
この適応性弛緩がうまくいかないと、胃がすぐに食事でいっぱいになってしまい、満腹になってしまいます。
今回はこの適応性弛緩を改善するための投薬治療を行いました。
①消化管運動改善薬:胃の動き(適応性弛緩)を改善するアコチアミドを使用しました。
②漢方:漢方にも胃の動きを改善させるものがあり、アコチアミドと相性の良いものを併用しました。
③食事指導:胃は食事開始後15~20分で動きを強めるため、動きに合わせてゆっくりとした食べ方を実践して頂きました。
【経過】
内服開始3-4日目から少し和らいだ印象が出てきて、2週間目の再診時には7割くらい改善。
1か月経過した際には、腹満感は消失し食事も通常通りに食べれるようになっていました。
その後家庭内のストレスも無くなってきたとのことで、薬は徐々に減薬し終了としましたが、再発なく落ち着いた状態が維持できています。
ケース③ 30代 男性 機能性ディスペプシアが治らない
【症状】
3年ほど前に急性胃腸炎になり、胃腸炎自体は改善したものの、その後から食後の胃痛と嘔気が続いており、他院にて機能性ディスペプシア。
いくつかの医療機関で投薬治療を受けましたが改善なく、当院を受診されました。
【問診・診察】
以前に受診された医療機関にて、胃カメラやCTなどの検査では異常なしとのことでしたが、以前の検査から3年ほど経過していることと、
ご本人が再度当院で検査を受けたいとのことで、胃胃カメラ・腹部エコー・血液検査などを行うこととしました。
【検査】
結果はいずれも異常なく、また、今回はご本人が小腸に異常がないかも確認したいとのことで、小腸カプセル内視鏡も施行しましたが、こちらも問題なく、当院でも機能性ディスペプシアとの診断に至りました。
【治療】
感染性胃腸炎(いわゆる食当たり)を起こした後に、機能性ディスペプシアを発症する方が時におられます。
感染を起こしたことによる身体的なストレスや、菌の感染や治療時の抗生剤による腸内細菌叢・胃内細菌叢の変化が発症の要因と推察されます。
今までの治療で様々な内服薬を試したものの、改善が今一つとのことでしたので、原因の一つと考えられる細菌叢の改善を目指し、内服薬に加えサプリを追加して飲んで頂き経過を見ることとしました。
①サプリ:
当院で作成したオリジナルサプリのi-katsuには、胃酸分泌の正常化や胃内細菌叢の改善、胃の動きの改善を期待できる成分が含まれています。いずれも薬とは異なる作用機序のため、今までの治療が効かない場合にも効果がでる可能性があるため、試して頂きました
②消化管運動改善薬:嘔気の原因には胃の動きの低下があり、動きを改善する薬を使用しました。
③制酸剤+粘膜保護剤:胃酸分泌過多を抑え、胃の粘膜保護することで胃の痛みを抑えます。
【経過】
服用を始めてしばらくすると、痛みも嘔気も頻度・程度ともに減ってきたとのことでした。
2週間後には症状は半分くらいになった印象とのことであり、1か月目の再診時には症状はほぼなくなったとのことで、内服は終了しました。
その後も症状は落ち着いていますが、「i-katsuを飲むと胃の調子が良い気がして食事もおいしく食べれる」とのことであり、継続して頂き経過を見ております。
※サプリは薬と違い、通常は副作用が出ることがないため長期でも安全に飲んでいただけます。
【院長からのコメント】
機能性ディスペプシアは、時に治療に反応が悪く症状が長引くこともありますが、薬の種類を変更したり、サプリなどの薬とは違う作用機序のものを使うことで症状が改善するケースもあります。治らない場合はサプリを試してみるのも選択肢の一つです。
i-katsuの効果と役割
i-katsuには、胃に働く乳酸菌と生薬が含まれています。
| 成分の作用 | 効果 |
|---|---|
| 胃酸分泌の調整 | 過剰な酸の刺激を抑える |
| 胃の運動をサポート | 吐き気やムカつきの軽減 |
| 粘膜の保護 | 胃痛の緩和と予防 |
i-katsuは上記のように胃酸の分泌過多を適正化する作用・胃の動きを改善する作用を持っており、
当院では機能性ディスペプシアの方の治療に用いており高い効果をあげています。
▶関連ページ:
- なぜi-katsuは機能性ディスペプシアに効くのか?|i-katsuの詳細はこちら
- i-katsuによるその他の治療例は【▶こちら】
よくあるご質問Q&A
Q:機能性ディスペプシアの診断に内視鏡(胃カメラ)やピロリ菌・腹部エコーの検査は必要ですか?
A:基本的には必要と考えます。
機能性ディスペプシアにみられる胃痛や胃もたれ・吐き気などの症状は、胃がんやピロリ菌感染などの胃の疾患や、胆石・膵炎・甲状腺疾患などの他の病気でも起こりうるため、胃カメラやピロリ菌検査・腹部エコー・血液検査などを行いそれらの病気をきちんと否定しておくことが重要です。
Q:胃腸炎や食あたりを起こした後に機能性ディスペプシアになることがありますか?
A:あります。
胃腸炎による下痢や嘔吐などの症状や炎症自体が改善したにも関わらず、胃もたれや食欲不振などの症状が続くケースが報告されており、感染後機能性ディスペプシアと呼ばれています。
時に胃腸炎が治っていないと誤診されてしまい誤った治療が続けられ一向に症状が改善しないケースなどもあり、適切な治療を受けるため胃腸の専門で診察を受けることが大切です。
Q:機能性ディスペプシアになるのはどんな人ですか?
A:ストレスが多い方、運動不足、睡眠不足、高脂肪食や香辛料を好む方、飲みすぎ食べ過ぎのライフスタイル、抗不安剤・抗うつ剤、胃腸炎への感染などが機能性ディスペプシアを引き起こす要因や増悪因子となります。
上述のような外的な要因に加え、ご自身の体質的な要因が組み合わさって機能性ディスペプシアが起こります。
Q:機能性ディスペプシアは難病指定ですか?
A:機能性ディスペプシアは厚生労働省の定める指定難病ではありません。
機能性ディスペプシアは良くなったり悪くなったりを繰り返して、なかなかすっきりと改善しない病気ですが、指定難病にはなっていません。。
Q:機能性ディスペプシアで食べてはいけないものはありますか?
A:高脂肪食や香辛料、アルコール・カフェインなどは悪化させる可能性があります。
また食べ過ぎや飲みすぎなどの食習慣も増悪させることがあるため、規則正しい食生活が大切です。
Q:機能性ディスペプシアは自律神経と関係がありますか?
A:関係があります
もともと、胃や腸などの臓器は自分で動かそうと意識しないでも勝手に動いている臓器で、この動きをコントロールしている神経を自律神経と言います。
ストレスや疲れ・不規則な生活(アルコール・不眠・疲れ)などの外的な要因が加わると、自律神経の乱れが生じたり、胃の粘膜に負担がかかることで胃が機能異常を来し、胃酸分泌過多や胃の排出機能の低下や膨らみの低下といった運動異常が起こり、機能性ディスペプシアが発症します。
Q:機能性ディスペプシアを放っておくとどうなりますか?
A:症状が進行することで日常生活に影響が出ることがあります。
機能性ディスペプシアはガンなどの悪性疾患になることはありませんが、食事がとれないなどの日常生活に差支えが出たり、機能性ディスペプシアの症状がストレスになりうつ病などの精神面に影響することがあります。
症状でお悩みの場合は放置せずに医療機関で治療を受けることが大切です。
▶【WEB予約】
▶お電話:03-5940-3833
Q:機能性ディスペプシアは治らないと言われましたが、本当ですか?
A:しっかりした治療・習慣の改善を行っていくことで治療することは可能です!
機能性ディスペプシアによって引き起こされる胃痛・吐き気・むかつき・食欲不振などの症状は投薬治療にて抑えていくことができますが、一旦改善しても、20%程度の再発があるとのデータがあります13
発症や再発にはストレスや食生活などが関わってきますので、ストレス因子の改善や生活習慣を改善することも大切です。
また、同じようなストレス環境や生活習慣であっても、機能性ディスペプシアになる方・ならない方がいるのは胃内細菌叢・遺伝的素因・胃の形などの体質が関わってきます。
そのような体質的な部分を改善するために、漢方やサプリを使用して繰り返さないようにするための予防治療も行っております。
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
参考文献
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・胃がん
