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実際の治療例 “ガスが溜まってお腹が張る”

[2023.10.20]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

40代 女性 ガスが溜まってお腹がはる

【症状】

学生時代からガスが溜まりお腹が張る状態を度々繰り返していましたが、ここ最近は頻度が増え張りも強くなったとのことで来院されました。

 

【診察】

触診では腹部の鼓音を認め、やはりガスの貯留が考えられました。

次に腹部レントゲンでガスが大腸ガスなのか小腸ガスなのかを調べることとしました。

 

【検査】

腹部レントゲンを行うと大腸ガスを認めました。

大腸ガスの原因として大腸の閉塞や狭窄がないかを大腸内視鏡(大腸カメラ)で調べてみましたが大腸内に特に異常はなく、機能性のガス貯留(病気ではなく腸の働きの低下腸内細菌の影響で生じる状態)を考えました。

大腸内視鏡(大腸カメラ)の実際の画像です。 炎症やガンなどの異常はなく、問題ない状態でした。

関連ページ:大腸カメラ

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【治療】

機能性のガス貯留は腸の働きの低下や腸内細菌のバランスの乱れで生じることが多く、その点を改善するような治療を行いました。

<治療内容>

・腸の運動機能改善薬・漢方薬

それぞれ腸の蠕動運動などの働きを改善するような薬となります。

西洋薬と漢方薬でそれぞれ作用機序が異なるため、別々の点で作用してくれますので合わせて使うことで相乗効果も期待できます。

・整腸剤

腸内細菌のバランスを整えることで動きの改善や張りの改善に役立てます。

・食事指導

ガスを産生しやすくなる豆類などを極力控え、腸の蠕動を改善するように食物繊維と水分摂取を心がけるようにしました。

 

【経過】

しばらくはあまり変化がなく張りが気になる状態が続きましたが、10日ほどすると徐々に張り感が減ってきて、1か月ほどすると症状の程度も頻度もかなり減り、症状に対してのストレスもかなり減少した状態となりました。

症状の改善に伴い減薬や休薬も勧めましたが、ご本人が継続しておきたいと希望され現在も続けています。

 

今回のように機能性の症状については整腸剤や漢方が有効なことが多く、いずれも副作用の出現頻度が比較的少ないため、症状の改善後も予防的に飲んでいただくこともあります。

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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