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実際の治療例 【発作様の胃の激痛で胃痙攣と言われたが、実は胆のう炎だった50代男性】

[2025.02.12]

「みぞおちが発作様に強く痛む」

「胃痙攣と診断されたが、実は違った」

そんな経験をされた方も少なくありません。

実際には、胃ではなく胆のうのトラブルが原因で強い痛みを起こしていることがあります。

今回は、当院を受診された50代男性の「発作のような胃の激痛」から診断された胆石胆のう炎の症例をご紹介します。

胃痛と思って放置してしまうと危険なケースもありますので、同じような症状でお悩みの方はぜひ参考になさってください。

症例|50代男性「発作のような胃の激痛」

【症状】

昨晩に胃の激痛があり救急外来を受診。

「胃痙攣」と言われ一旦投薬で帰宅となりましたが、朝になっても痛みが続くとのことで当院を受診されました。

【診察】

以前にも同様の発作様の胃の激痛を数回起こしており、いずれも食後2時間位してからの痛みで、昨日も夕食に唐揚げを食べてしばらくしてから激痛が起こったとのこと。

症状や経過から「胃ではなく胆石発作や胆のう炎の可能性が高い」と判断し、腹部エコー検査を行いました。

【検査】

エコー検査では胆のうが腫大し壁が腫れて厚くなっている状態で胆嚢炎を起こしている状態でした。

【実際のエコー画像】胆のうの短径が50㎜大と腫大し(青矢印)、壁が3㎜大と肥厚し(赤矢印)白く見えています。

胆のう頚部(胆のうの出口付近)には胆石を認め、胆石がはまり込んだことによって起こる胆石胆嚢炎と診断しました。

胆のうの出口部分に11㎜大の胆石がはまり込んでいる状態でした。(黄色円部分)

【治療】

胆石胆のう炎は胆のう内に出来た胆石が詰まってしまうことで起こる炎症で、食後2-3時間してからみぞおち~右上腹部の激痛で発症します。

一過性の発作の場合もありますが、繰り返す場合や痛みが取れない場合は胆のうを摘出する手術を選択することが多く、今回も繰り返していることから患者さんと相談し手術する方針としました。

入院しての治療となるため対応できる高次医療機関に紹介となり、手術は無事に終了。

その後は食後の痛みは出ることはなくなり、診察完了となりました。

院長からのコメント

胆石発作や胆のう炎は右の肋骨の下あたりからみぞおちの痛みとして感じることもあり、「胃の痛み」と考えられてしまい、誤った診断を受けてしまうことも少なくありません。

胆のう炎は軽症であれば手術ではなく抗生剤の内服や点滴で治療することも可能であり、

そのためには「胃の痛み」があった場合には、胃カメラだけでなく腹部エコー行い、胆のうなどの上腹部の臓器も併せてしっかりと確認し適切な診断をすることが重要です。

症状でお困りの方はお力になれると思いますのでご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

まとめ

・「みぞおちの発作様の痛み」は胃だけでなく胆石や胆のう炎が原因のことがある

・食後2〜3時間後に唐揚げなど脂っこい食事のあと発作が起きやすい

・胃カメラでは異常が見つからないこともあり、腹部エコーでの確認が必須

・胆のう炎は繰り返すと手術(胆のう摘出)が必要になることもある

・胃痛と思って放置すると危険なケースがあるため、早期の受診・検査が重要

よくある質問FAQ

Q1. 胃痙攣と診断されたのに痛みが繰り返すのはなぜ?

A. 実際には胆石や胆のう炎が原因のことがあります。胃薬で改善しない痛みは、腹部エコー検査が必要です。

Q2. 胃カメラで異常なしと言われたが痛みが続くのは胆石のせい?

A. その可能性があります。胃カメラは胃の粘膜を見る検査ですが、胆のうは見えません。エコー検査で胆石の有無を確認することが大切です。

Q3. 胆石胆のう炎の痛みはどこに出ますか?

A. 多くはみぞおちや右上腹部に出現します。背中や右肩に響くこともあり、胃痛と区別がつきにくいことがあります。

Q4. 胆石胆のう炎は手術が必ず必要ですか?

A. 軽症なら抗生剤や点滴で改善する場合もありますが、繰り返す場合や痛みが強い場合は手術が推奨されます。

Q5. 胃の痛みで病院に行くとき、どんな検査を受けた方がいいですか?

A. 胃カメラに加えて、腹部エコーで胆のう・胆管・肝臓もチェックすることをお勧めします。

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通

巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

参考文献
  • 日本消化器病学会編. 胆石症・胆のう炎診療ガイドライン2021. 南江堂.

  • Yokoe M, et al. Tokyo Guidelines 2018: diagnostic criteria & severity grading of acute cholecystitis. J Hepatobiliary Pancreat Sci. 2018;25(1):41–54.

  • Strasberg SM. Clinical practice. Acute calculous cholecystitis. N Engl J Med. 2008;358:2804–11.

  • 国立がん研究センター がん情報サービス. 胆のうがん・胆管がん https://ganjoho.jp

 

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