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実際の治療例 “昼過ぎからの急激な右下腹痛”

[2025.02.14]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代 男性 昼過ぎからの急激な右下腹痛

【症状】

本日昼14時ころから急激な右下腹痛が出現。

冷や汗が出るような強い痛みが断続的に続くとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

急激に発症する右下腹痛という症状からは

  1. 食あたりなどによる感染性腸炎
  2. 急性虫垂炎
  3. 大腸憩室炎
  4. 尿管結石

などが考えられ、まずは腹部エコーレントゲン血液検査で状態を評価してみることとしました。

 

【検査】

腹部レントゲンでは異常ガスなどはありませんでしたが、

腹部エコーでは右尿管の中に結石を認め尿管結石と診断しました。

実際のエコー画像です。膀胱に続く尿管内に白い結石を認め、尿管結石と診断しました。

 

【治療】

疼痛に対して痛み止めを処方し、結石自体に対しては溶解作用・抗炎症作用・利尿作用・排出促進効果のある特効薬を用い投薬治療を行いました。

また、本人には排出促進のためどんどん水分を取ってもらい、尿を出してもらうように指示しました。

痛みは徐々に和らぎ、翌日の再診時には痛みは消えている状態でした。エコー上も結石は消失しており治療は終了となりました。

 

尿管結石はいきなりおこる腹部の激痛で発症します。

痛みには波があり、落ち着いたり痛んだりを繰り返します。診察で腰を叩くと鋭い痛みが走ることがこの疾患に特徴的です。

 

エコーなどで診断後は本ケースのように投薬治療水分摂取で治療を行い、改善しない場合は、泌尿器科に紹介して、衝撃波で体外から結石を砕く体外衝撃波結石破砕術などを行います。

 

尿管結石は食事によるシュウ酸の摂取などが原因となることが多く1)、繰り返す場合も少なからずみられ、改善後も食事内容の見直し・水分摂取が再発予防のためには重要となります。

一実際に1 日2,000 mL 以上の水分摂取を行い,1 日尿量を2,500 mL以上とすることで再発リスクを61%に減少できるというデータもあります2)

参考文献:1)Holmes RP, Goodman HO, Assimos DG. Dietary oxalate and its intestinal absorption. Scanning Microsc. 1995;9:1109-18;discussion 1118-20.

2F)ink HA, Akornor JW, Garimella PS, et al. Diet, fluid, or supplements for secondary prevention of nephrolithiasis:a systematic review and meta-analysis of randomized trials. Eur Urol. 2009; 56:72-80

◆関連ページ:

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

WEB予約へ TEL:03-5940-3833

 

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