実際の治療例【胸の痛みを契機に発見された逆流性食道炎】
実際の治療例【胸の痛みを契機に発見された逆流性食道炎】
「胸が痛い=心臓の病気?」
と不安になる方は多いですが、実は「逆流性食道炎」が原因のケースも少なくありません。
今回は、胸の痛みを主訴に受診された患者さんの実例をもとに、逆流性食道炎の診断と治療についてご紹介します。
40代 男性 胸の痛みが続く…
症状
「最近、毎日ではないが食後や夜に胸の奥がチクチクと痛む感じがある」と訴えて当院を受診されました。
動悸や息切れはなく、心電図・胸部レントゲンでは特に異常は認めず、心臓の病気の可能性は低い印象でした。
問診を進めていくと、以下のような生活習慣が明らかに:
- 食後すぐに横になることが多い
- コーヒーを好む
- デスクワーク中心で運動習慣がほとんどない
これらの情報を踏まえ、「逆流性食道炎」や「食道がん」などの食道疾患が疑われ、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を実施しました。
胃カメラ
実際に胃カメラを行うと胃と食道のつなぎ目にびらん(ただれ)を認め、逆流性食道炎の診断が確定しました。
胃と食道のつなぎ目に5条のびらんを認め(黄色部分)、 逆流性食道炎と診断しました。
◆逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道へ逆流することで、食道の粘膜に炎症を起こす疾患です。
典型的な症状には以下のようなものがあります。
- 胸焼け(みぞおちのあたりが熱く感じる)
- 呑酸(酸っぱい液体がのどに上がってくる感じ)
- のどの違和感、声枯れ
- 胸の痛み(特に心臓のあたり)
実はこの「胸の痛み」が、心臓の病気とよく間違われる症状でもあります。
◆合わせて読みたい
- 胃内視鏡(胃カメラ)|実際の検査の流れや鎮静剤を使用した無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
- 逆流性食道炎の詳細|より詳細な逆流性食道炎の情報がご確認いただけます
治療
薬物療法と生活習慣の見直し
逆流性食道炎の治療は
- 胃酸の分泌過多を抑える制酸薬
- 胃の動きを改善し胃酸の流れをよくする機能改善薬
- 逆流性食道炎を引き起こす生活習慣の改善
を軸に行っていきます。
この患者さんは食後と夜間に症状が強く、食後に制酸剤と逆流を抑える漢方を飲んでいただくことにするとともに
逆流性食道炎を引き起こしやすい習慣を改善する生活指導を行いました。
- 食後すぐに横にならない
- 夕食は寝る3時間前までに済ませる
- コーヒーや脂っこい食事を控える
- 適度な運動を取り入れる
薬の服用開始から1週間ほどで胸の違和感は軽快し、1ヶ月後にはほぼ症状が消失し薬は一旦中止としました。
ただ、逆流性食道炎はぶり返しやすく、ご本人からできれば何か予防をやっていきたいとの希望があり、当院オリジナルサプリのi-katsuを飲んで頂くこととしました。
🌿i-katsuの特長
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胃酸の分泌を整えることで、逆流性食道炎の予防に効果
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制酸剤中止後の“リバウンド現象”を抑制
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乳酸菌+生薬のみで構成 →副作用が出ることはほぼなく 長期服用でも安心
まとめ
胸の痛み=食道からのサインかも?
胸の痛みが消化器由来であることは、意外に多くあります。
心臓の病気でないことがわかるとホッとされる方も多いですが、逆流性食道炎も放置せず治療することが重要です。
放置してしまうと、逆流性食道炎は慢性化したり、バレット食道といった前がん病変に進行する可能性もあります。
「ちょっとした胸の違和感」「食後の不快感」なども、気になるときは早めに専門医を受診しましょう。
当院では、苦しくない経鼻内視鏡や鎮静剤を使った胃カメラにも対応しています。
「もしかして…?」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)