実際の治療例 “暑い時期になると胃の調子が悪くなり食欲が落ちる”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
30代 男性 “暑い時期になると胃の調子が悪くなり食欲が落ちる”
【症状】
20代のころから暑い時期になると胃もたれがひどくなり、食欲もなくなるといった症状が続いており、今回も症状が出て困っており何とか改善したいとのことで当院を受診されました。
【診察】
胃の不調が何らかの病気に関連して起こる症状なのか、あるいは気候の変化などによって起こる体質的な症状なのかを見極めるため、
胃内視鏡(胃カメラ)や血液検査・腹部エコーなどで病気が潜んでいないかをチェックすることとしました。
【検査】
胃カメラでは問題ない状態であり、血液検査や腹部エコーでも異常はなく、気候の変化などによって起こる症状によって起こる機能性ディスペプシアと診断しました。
胃の粘膜は綺麗な状態で、ピロリ菌もない正常の状態でした
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【治療】
検査しても胃に特に異常がないにも関わらず感じてしまう胃痛や胃もたれ・食欲不振などの症状を機能性ディスペプシアと呼びます。
ストレスや疲れなどによって胃の働きを調整している自律神経が乱れ、「胃酸の分泌過多」「胃腸の動きの低下」「粘膜の知覚過敏」などが生じ症状が引き起こされます。
特に夏場は
- 暑さによる体のストレス
- 冷房の効いた室内と屋外の暑さといった気温の寒暖差による自律神経の不調
などにより機能性ディスペプシアが起こりやすい時期でもあります。
薬による治療としては、
- 胃酸分泌過多を抑える制酸剤
- 胃の粘膜を保護する粘膜保護剤
- 胃の動きを改善する機能改善薬
などを使用します。
今回は「もたれ」と「食欲不振」という症状で胃の動きの低下が考えられ、動きを改善する機能改善薬を処方し、合わせて当院のオリジナルサプリi-katsuを服飲んで頂くこととしました。
i-katsuに含まれる胃の乳酸菌と生薬は、胃酸の分泌過多を適正化する作用・胃の動きを改善する作用および機能性ディスペプシアを起こしやすい体質を改善する作用を持っており、当院では機能性ディスペプシアの方の治療に用いており高い効果をあげています。
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【経過】
薬とi-katsuを服用し始めると、4-5日ほどでもたれ感がかなり改善したとのことでした。
食欲も徐々に戻り始め、2週間ほど経過するともたれ感は完全になくなり、食欲も回復し食事もおいしく食べれるようになったとのことで内服は一旦中止し、再発予防と体質改善のためしばらくはi-katsuを続けていただきました。
その後は胃もたれや食欲不振の再燃もなく夏場を乗り切ることが出来、ご本人の希望によりi-katsuは継続して飲んで頂いております。
当院では投薬による症状改善だけでなく、再発予防や症状を起こしやすい体質の改善にも取り組んでおります。
症状でお困りの方は是非一度ご相談ください!
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
※i-katsuサプリと薬について
サプリは薬と違った作用で機能性ディスペプシアに効いてくれるため、
- 薬が効きにくい方
- 薬をやめると症状がぶり返す方
- 薬を飲むのに抵抗がある方
に薬と合わせて飲んでいただいたり、薬の代替治療として使用しております。
また副作用が出にくいという点から、安全に長期服用ができるため症状改善後の予防治療・機能性ディスペプシアを起こす体質の改善にも積極的に用いております。
※i-katsuを用いた今回以外の治療は「i-katsuの治療例」にてご覧いただけます
※胃内細菌叢と機能性ディスペプシアの関係
同じようなストレスや疲れがあっても機能性ディスペプシアを発症する人とそうでない人がいます。
その差は遺伝的な素因や胃の形などのいわゆる体質的な部分になってきますが、その一つに“胃内細菌叢”が関わっていると言われています。
健常な方と機能性ディスペプシアの方とで胃液の細菌叢構成を調べてみると、機能性ディスペプシアの方では典型的な腸内常在菌属であるバクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属などに加え、病原性を持つエスケリキア属が多数検出されています。
機能性ディスペプシアの方に乳酸菌の摂取を続けてもらい、胃液を採取し再検査したところ、これらの胃内細菌叢の異常の大部分が是正され、機能性ディスペプシアの症状も改善していたとの報告があります。
このように胃内細菌叢の改善を行うことで機能性ディスペプシアの症状だけでなく、症状を起こしやすい体質を改善させることが可能です。
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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)