実際の治療例 “排便時の出血を繰り返す”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代男性 排便時の出血を繰り返す
【症状】
以前から度々排便時に鮮血の出血を繰り返すとのこちで来院された方です。
【診察】
便の色自体は茶色で特に痛みも伴わないとのことで、内痔核出血を考えましたが、大腸がんの家族歴があることと一度も大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けたことがないとのことであり、念のため大腸内視鏡を行うこととしました。
【内視鏡検査】
直腸の入り口に内痔核(静脈叢のうっ滞により起こる浮腫み)を認めましたが、大腸内に他の病変はなく、内痔核出血と診断しました。
【治療】
痔の程度も軽かったので生活習慣の改善と薬で治療し、出血は落ち着きました。
今回は出血は幸い痔核出血であり大きな病変ではありませんでしたが、ポリープ・直腸がんや潰瘍性大腸炎といった疾患でも同じような血便のパターンをとるケースがあるため、繰り返す血便・慢性的に続く血便などがある際には大腸内視鏡を受けることが病気の早期発見のために大切です。
<参考>排便時の鮮血で内視鏡を行ったところ巨大なポリープが見つかった方
※関連ページ;内痔核の原因や治療について 大腸がん 潰瘍性大腸炎
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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・大腸がん