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実際の治療例 “大腸カメラがトラウマなので何とか楽に受けたい”

[2024.12.07]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代 女性 大腸カメラがトラウマなので何とか楽に受けたい

 

【症状】

1年前に大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けた際に辛すぎてもう2度と受けたくないとトラウマになっていましたが、

今回人間ドックで便潜血陽性を指摘され、大腸カメラを受けるように言われ、当院にて楽に大腸カメラを受けれたという友人の方から勧められ受診されました。

 

【診察】

以前の大腸カメラについて伺うと

  • 前処置の液体の下剤の味が苦手で飲むのがかなり大変だった
  • 鎮静剤を使ったにもかかわらず全然効かずにかなり痛かった
  • 検査を担当した医師からは癒着があり大腸が細くなっている(大腸狭窄)と言われ、結局奥まで入らなかった

とのことでした。

 

今回はそれぞれの問題点に以下の対応しながら大腸カメラを行うことにしました。

 

◆対応策◆

①前処置の下剤については味が苦手➡水やお茶で飲める錠剤の下剤を用いる

②鎮静剤が効かない➡鎮静剤を組み合わせて、安全にかつ痛みを感じにくい鎮静を行う

③大腸癒着・狭窄➡癒着部・狭窄部を少しでもスムーズに通過できるように胃カメラ用の細いスコープを用いる。

 

【検査】

下剤を錠剤に変更したことで、前処置は問題なく行うことが出来ました。

 

実際に大腸カメラを行うと、S状結腸は癒着があり硬化しており、一部で狭窄を認めスコープはかなり通過しにくい状態でした。

S状結腸は癒着のため硬く、早期による伸展も不良でした。慎重にスコープを進めると狭窄部分(黄色矢印)も認めました。

この状態だと通常の大腸カメラ用のスコープは通過が難しかったり、無理に通過させようとするとかなり強い痛みが生じたり、腸に穴が開く(穿孔)合併症のリスクが出てきます。

今回は胃カメラ用の細いスコープで検査を行ったため、前医で通過できなかった狭窄部も無事に超えることが出来ました。

大腸カメラ(黄色矢印)と胃カメラ(茶色矢印)です。 並べてみると、大腸カメラに比べ胃カメラはかなり細いことがわかります。 ただ、長さも短くスコープのコシもないため、胃カメラを使っての大腸の挿入はかなりのテクニックを要します。

 

奥の方にはポリープを認めこちらも無事に切除し、また鎮静剤をうまく使用することで最後まで痛みを感じずに検査を受けて頂けました。

下行結腸にポリープを認め、便潜血陽性の原因と考えました。 サイズからすると前回もすでにあったと思われますが、狭窄部を超えれなかったため発見できなかったと考えます。 今回はしっかりと切除することが出来ました。

 

腹部の手術腸の炎症の既往などがあると腸の癒着や狭窄が起こり、大腸カメラが苦痛を伴うケースや奥まで入らずに途中で断念してしまうケースが時にあります。

(今回の患者さんは過去に帝王切開と左卵巣嚢腫の切除の手術歴がある方でした)

ただ、なぜ大腸カメラが苦しかったのか原因を把握して対応することで、たいていの場合は苦痛なく楽に受けることが可能であり

また初回の検査であっても検査中に鎮静剤の量を調整したりスコープを入れ替えたりと柔軟に対応しております。

大腸カメラがトラウマになっている方、怖くて受けることが出来ていない方は是非一度ご相談ください!

 

 
 

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