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実際の治療例 “3か月で5㎏体重が落ちた(膵臓癌)”

[2025.01.13]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代 男性 3か月で5㎏体重が落ちた

 

【症状】

家族から最近痩せたと言われ、体重を測ってみたところ3か月前と比べて5㎏程体重が減っていたとのことで来院されました。

 

【診察】

特に食事制限やダイエットを行っているわけではないにも関わらず64㎏から59㎏程まで体重が減少しており、さらに食欲も低下気味とのことであり、病気による体重減少の可能性も考えられました。

状態を調べるためまずは血液検査腹部エコー検査を行いました。

 

【検査】

血液検査では異常は認めなかったものの、腹部エコーで膵臓に40㎜大の腫瘍と膵管の拡張を認め膵臓癌を強く疑いました。

実際のエコーの画像です。 黄色矢印部分に囲まれた黒い円形部が膵臓の腫瘍となります。また赤矢印に挟まれた黒い棒状の部分が腫瘍により圧迫され拡張した膵管になります。

【治療】

確定診断のため造影CTなどの検査が必要なため高次医療機関に紹介とし、同院にてstageⅢの膵ガンの診断となり、抗がん剤治療を行い腫瘍を縮小させた後に手術を行う方針となりました。

 

食事制限や運動などのダイエットなどを行っていないにも関わらず起こる体重減少は病的なことが多く、1か月で-2㎏2か月以上続く体重減少などは要注意です。

原因としては

  • ガンなどの悪性疾患
  • 炎症性腸疾患などの消化器疾患
  • 甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患

などがあり、血液検査腹部エコー胃カメラ大腸カメラなどで精査を勧めます。

 

今回のように膵がんなどの命に関わる病気のことも少なくないため、体重減少が気になる場合にはなるべく早めに検査を受けること、また症状が出る前の早期の状態で発見するためには定期的に腹部エコーや血液検査を受けることが重要です。

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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