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実際の診療例【吐き気とめまいがあり熱中症かと思ったら感染性腸炎だった】

[2025.08.11]

「暑さで体調を崩したのかも…」

と思っていたら、実は全く別の病気が隠れていた、というケースは意外と少なくありません。

今回は、吐き気・めまい・熱っぽさがあり「熱中症かも」と来院された患者さんが、実は感染性腸炎だったという実際の診療例をご紹介します。

こうした症状が続いている方は、早めの医療機関受診をおすすめします。

30代 男性 吐き気・めまいが続く

【症状】

前日から軽い吐き気が続いており、頭がふらふらする感じがあるとのこと。

日中は屋外での勤務が多く、発熱はないものの体がだるく少し熱っぽく感じ「熱中症になったかもしれない」と思い、

自宅で水分をとって様子を見ていたそうです。

ただ、翌日も体のだるさやめまい、胃のむかつきが改善せず、不安になって当院を受診されました。

【診察】

来院時、体温は37.3℃。軽度の発熱と脱水傾向がみられました。

お話を聞くと下腹部に軽い痛み軟便も伴っているとのことから、感染性腸炎の可能性も考慮し、以下の検査を行いました。

【検査】

  • 血液検査:白血球数とCRPがやや上昇

  • 腹部エコー検査:下部腸に軽度の浮腫・炎症の所見

実際のエコー画像です。小腸の下部に浮腫みと水分貯留を認め(黄色部)、小腸炎と診断しました。

検査結果から、熱中症ではなく「感染性腸炎(小腸炎)」と診断しました。

【治療】

感染性腸炎の状態としては軽症で、入院や強い薬は必要ありませんでしたが、以下の治療を行いました。

  • 整腸剤の内服

  • 十分な水分・電解質補給の指導(OS-1など)

  • 食事は消化の良いものを少量ずつ

【経過】

治療後は徐々に症状が軽快し、3日後には下痢も吐き気もほぼ消失。

てっきり熱中症だと思っていたので驚きました」とおっしゃっていました。

【まとめ】

感染性腸炎は「食あたり」で起こることがほとんどで、今回の方は症状が出る数日前に屋外でのBBQに参加していたとのことで、その際に食事が原因と考えられました。

感染性腸炎は食べてすぐ発症することもあれば、数日-1週間ほど経って発症することもあります。

 合わせて読みたい
  • 感染性腸炎|原因や治療、診療例がご確認いただけます。

💡熱中症と感染性腸炎の違い

感染性腸炎と熱中症は症状が似ているため、間違いやすいのですが、以下のような違いがあります。

  熱中症 感染性腸炎
発熱 軽度(体温上昇) 微熱〜高熱になることもある
吐き気・嘔吐 起こることがある よく見られる
下痢 あまりない 頻繁にみられる
めまい・ふらつき あり 脱水により起こることがある
発症のきっかけ 暑い環境、長時間の屋外活動など 食べ物や水、ウイルス・細菌の摂取

ただ、感染性腸炎でも下痢を伴わないケースや、熱中症でも下痢することもあり得るので、自己判断が難しいこともあります。

特に夏場は今回のように「熱中症と思っていたら感染症だった」というケースも多く、専門的な診察・検査が大切です。

このような症状でお困りの方はお力になれますのでご相談ください。

  • 胃腸の不快感や吐き気が続いている

  • 夏場の体調不良がなかなか回復しない

  • 熱中症かどうか判断がつかず不安

  • 下痢や腹痛が数日続いている

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通

巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

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