実際の診断例 “背中の痛みを契機に発見された膵臓がん”
当院を受診された患者さんの実際の診断経過です。
50代 男性 背中が痛い
【症状】
2か月ほど前から断続的に背中の痛みを感じており、会社の同僚が同様の症状で膵ガンと診断されたとのことで心配になり来院されました。
【診察】
背部痛の要因として膵ガンや膵炎などの膵臓病変は考えられるため、腹部エコーや血液検査で膵臓の状態をチェックしてみることとしました。
【検査】
腹部エコーでは膵臓に30mm大の腫瘤(青矢印)と尾側の膵管の拡張(赤矢印)を認め、また血液検査で膵酵素と腫瘍マーカーの上昇を認め、膵ガンを強く疑いました。
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【経過】
確定診断のため造影CTなどの検査が必要なため高次医療機関に紹介とし、同院にてstageⅣの膵ガンの診断となり、手術での治療が難しく抗がん剤治療を行うこととなりました。
膵がんの症状の一つに背部痛がありますが、症状が出た時には進行していることが多く治療が後手に回ってしまうことも少なくありません。
エコー検査や血液検査は外来でも簡便に出来る検査であり、背部痛がある場合にはなるべく早めに検査を受けること、また症状が出る前の早期の状態で発見するためには定期的に腹部エコーや血液検査を受けることが重要です。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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