メニュー

実際の治療例 【半年前は異常なし?便潜血陽性から見つかった“見逃されやすい大腸ポリープ”とは】

[2026.05.22]

「便潜血検査で“陽性”と言われたけれど、半年前に大腸カメラを受けて異常なしだったから大丈夫だろう」

——そう思ってしまう方も少なくありません。

しかし、実際には『見逃されやすいタイプの大腸ポリープ』が存在し、定期的に検査をしていても発見が難しいケースがあります。

今回は、

【半年前に大腸内視鏡で異常なしとされたにもかかわらず、便潜血検査陽性をきっかけに来院され、見落とされやすい「鋸歯状腺腫」が発見された40代男性の症例】

を専門医の院長が分かりやすくご紹介します。

便潜血陽性が出たときにどう対応すべきか、そして「なぜ大腸カメラの丁寧な観察が重要なのか」を知っていただくきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 便潜血陽性は、大腸のどこかで出血が起きている可能性を示すサインです。

✅ 半年前に大腸カメラで異常なしと言われても、見逃されやすい病変が隠れていることがあります。

✅ 鋸歯状腺腫・鋸歯状病変は、扁平で色が周囲と似ており、通常観察では見つけにくいことがあります。

✅ 便潜血陽性を指摘された場合は、自己判断で放置せず、大腸カメラによる精密検査が大切です【1】【2】。

 

便潜血陽性でご不安な方へ

巣鴨駅前胃腸内科では、便潜血陽性を指摘された方の診察・大腸カメラのご相談を受け付けています。

「半年前に検査したから大丈夫だと思う」「痔かもしれないけれど不安」「もう一度大腸カメラを受けるべきか迷っている」という方も、お気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

 

便潜血陽性の主な原因

便潜血陽性は、「便に血液が混じっている可能性がある」という検査結果です。目で見て赤い血便がなくても、微量の出血で陽性になることがあります。

便潜血陽性の原因としては、次のような病気や状態が考えられます。

痔・裂肛

便潜血陽性の原因として、内痔核や裂肛など肛門周囲からの出血はよくみられます。硬い便や排便時のいきみで出血し、検査で陽性になることがあります。

ただし、痔があるからといって、必ずしも痔だけが原因とは限りません。痔と大腸ポリープ、大腸がん、大腸炎が同時に存在することもあるため、便潜血陽性を「痔のせい」と決めつけないことが大切です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる隆起性または平坦な病変です。多くは良性ですが、一部は時間をかけて大きくなり、大腸がんの原因になることがあります。

便潜血陽性をきっかけに大腸カメラを行い、大腸ポリープが見つかるケースは少なくありません。見つかった段階で切除できれば、将来の大腸がん予防につながる可能性があります。

大腸がん

便潜血陽性の方の中には、大腸がんが見つかる方もいます。大腸がんは、進行すると血便、便が細い、お腹の張り、便秘や下痢、腹痛、体重減少、貧血などを起こすことがあります。

一方で、早期の大腸がんでは自覚症状がほとんどなく、便潜血検査だけが発見のきっかけになることもあります。国立がん研究センターでも、便潜血陽性の場合は診断のために精密検査が必要とされています【2】。

大腸炎

潰瘍性大腸炎、感染性腸炎、虚血性腸炎などの大腸炎でも、腸の粘膜から出血し、便潜血陽性になることがあります。

下痢、腹痛、粘液便、発熱、血便などを伴う場合は、炎症性腸疾患や感染性腸炎なども考えながら検査を行います。

憩室出血

大腸憩室から出血することで、便潜血陽性や血便を起こすことがあります。出血量が多い場合は、便器が赤くなるような出血として気づくこともあります。

鋸歯状腺腫・鋸歯状病変とは?

鋸歯状腺腫・鋸歯状病変は、大腸ポリープの一種です。近年、大腸がんの発生経路の一つとして注目されており、特に右側大腸にできやすい、扁平で見つけにくい、粘液をかぶることがあるといった特徴があります【4】【5】。

通常の盛り上がったポリープと違い、鋸歯状病変は周囲の粘膜と色が似ていたり、境界がぼんやりしていたりすることがあります。そのため、短時間で観察すると見逃されてしまう可能性があります。

鋸歯状病変を見つけるためには、腸内をきれいにしたうえで、空気量を調整し、粘液を洗い流し、NBIなどの画像強調観察を用いながら丁寧に観察することが重要です。

症例|40代男性「便潜血検査陽性」

【症状】

半年ほど前に人間ドックで大腸内視鏡検査を受け異常なしとのことでしたが、区の大腸がん検診の便潜血検査で陽性反応が出たとのことで来院されました。

血便、腹痛、便秘、下痢、体重減少などの自覚症状はありませんでしたが、「半年前に大腸カメラで異常なしと言われたが、ひょっとしたら何か見落としがあるのかもしれない」という不安をお持ちでした。

【診察】

便潜血検査陽性の方には大腸がんのリスクがある状態ですが、半年前に大腸内視鏡を受けており見落としがなければガンの可能性は低いと考えられました。

ただ、ご本人が見落としのご心配をされており、また便潜血検査の陽性反応の原因も気になるとのことであり、当院で再度大腸内視鏡(大腸カメラ)を行うことにしました。

【内視鏡検査】

大腸内視鏡検査を行うと深部大腸にに15㎜大の扁平なポリープを認めました

青矢印で囲まれた領域がポリープです。丈が低く粘膜の色調も周囲と同調で、粘液の付着もあるため視認しづらく見落とされることも少なくありません。

空気量を調整したり、粘液の付着をとったりと丁寧な観察をすることでポリープの輪郭が浮き出てきます。

NBIモードに変えて色調を変えることでさらにポリープを視認しやすくなります。

このタイプのポリープは鋸歯状腺腫と呼ばれるタイプで、扁平で丈がないのでなかなか視認しづらく、かつ多発しやすいという嫌な特徴があります。

大腸ポリープは短期間でいきなり出来るということはまずなく、今回のポリープも半年でいきなりできたのではなく、前医で指摘できなかったと考えられます。

 

【治療】

内視鏡上、悪性を強く疑う所見はなく、内視鏡的に切除可能と判断しました。そのため、ポリープを内視鏡で切除しました。

切除後の病理検査では、鋸歯状腺腫に相当する病変と診断されました。今回の病変は内視鏡的に切除でき、治癒切除となりました。

なお、便潜血陽性の原因としては、直腸の出口付近に認めた内痔核からの出血が関与していた可能性も考えられました。

ただし、今回のように便潜血陽性をきっかけに、見逃されやすい大腸ポリープが見つかることがあります。

受診の目安

以下に当てはまる方は、早めに消化器内科へご相談ください。

  • 便潜血検査で陽性を指摘された
  • 半年前〜1年前に大腸カメラで異常なしと言われたが、再び便潜血陽性になった
  • 血便、便が細い、便秘や下痢を繰り返す
  • お腹の張り、腹痛、体重減少、貧血を指摘された
  • 家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
  • 大腸カメラを受けるべきか迷っている

便潜血検査は、大腸がんを早期に見つけるための大切な検診です。大腸がん検診ガイドラインでも、便潜血検査を定期的に受け、陽性時には精密検査を受けることが重要とされています【1】。

また、便潜血検査陽性後に大腸カメラを受けなかった方では、大腸がんによる死亡リスクが高くなることが報告されています【3】。

そのため、「症状がないから大丈夫」「半年前に検査したから大丈夫」と自己判断せず、必要な精密検査を受けることが大切です。

大腸カメラが不安な方へ

当院では、鎮静剤の使用、スコープ操作の工夫、観察時の空気量調整、フード装着などにより、苦痛をできるだけ少なくしながら、見逃しの少ない大腸カメラを目指しています。

便潜血陽性について詳しく知りたい方へ

便潜血陽性は、痔だけでなく大腸ポリープや大腸がんなどが隠れていることがあります。

放置リスクや検査の必要性、状況別の実例は、以下のページで詳しく解説しています。

→ 便潜血陽性とは?原因・放置リスク・大腸カメラの必要性を専門医が解説

院長コメント

便潜血陽性は、「たまたま出た異常」ではなく、大腸からの出血を知らせる大切なサインであることがあります。

もちろん、原因が痔であることもあります。しかし、痔がある方でも、その奥に大腸ポリープや大腸がんが隠れていることがあります。そのため、便潜血陽性を指摘された場合は、自己判断で放置せず、精密検査として大腸カメラを受けることが大切です。

今回の症例では、半年前に大腸カメラで異常なしと言われていましたが、再検査で15mm大の扁平なポリープが見つかりました。鋸歯状腺腫・鋸歯状病変は、通常のポリープよりも見つけにくいことがあり、検査の質や観察の丁寧さが重要になります。

当院では、見逃しをできるだけ減らすため、腸管内を丁寧に観察し、必要に応じてNBIなどの画像強調観察を用いながら検査を行っています。便潜血陽性を指摘された方、大腸カメラに不安がある方は、一度ご相談ください。

便潜血陽性・大腸カメラのご相談はこちら

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、必要時には最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また『鎮静剤による無痛大腸カメラ』にも対応しております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

よくある質問

Q1. 半年前に大腸カメラで異常なしでも、便潜血陽性になることはありますか?

A. はい、あります。痔などの良性の出血が原因のこともありますが、今回のように扁平で見逃されやすい大腸ポリープが隠れていることもあります。半年前に異常なしと言われていても、便潜血陽性を指摘された場合は、再度精密検査が必要か医師に相談しましょう。

 

Q2. 便潜血陽性は大腸がんという意味ですか?

A. 便潜血陽性だけで大腸がんと診断されるわけではありません。ただし、大腸がんや大腸ポリープ、大腸炎などが原因で出血している可能性があるため、出血源を確認する精密検査が必要です。

 

Q3. 鋸歯状腺腫とはどのようなポリープですか?

A. 鋸歯状腺腫は、大腸ポリープの一種です。扁平で周囲の粘膜と色が似ており、粘液をかぶることもあるため、見つけにくい病変です。一部は大腸がんの発生に関係すると考えられており、発見した場合は適切な切除や経過観察が必要です。

 

Q4. 便潜血陽性でも、痔があるなら様子を見てよいですか?

A. 痔が原因で便潜血陽性になることはありますが、痔があるから大腸ポリープや大腸がんがないとは言えません。痔と大腸の病気が同時に存在することもあるため、自己判断で放置せず、医師に相談してください。

 

Q5. 便潜血検査をもう一度受けて陰性なら大丈夫ですか?

A. 一度でも便潜血陽性が出た場合、再検査で陰性になっても大腸の病気が完全に否定されるわけではありません。出血は毎回起こるとは限らないため、陽性を指摘された時点で大腸カメラなどの精密検査を検討することが大切です。

 

Q6. 大腸ポリープは切除した方がよいですか?

A. ポリープの種類、大きさ、形、場所によって対応は異なります。将来的に大腸がんの原因になる可能性があるポリープは、内視鏡で切除することがあります。検査中に切除可能と判断した場合、日帰りで切除できることもあります。

 

Q7. 扁平な大腸ポリープはなぜ見つけにくいのですか?

A. 扁平なポリープは盛り上がりが少なく、周囲の粘膜と色が似ていることがあります。また、粘液が付着していると病変の境界がわかりにくくなります。そのため、腸内をきれいにし、空気量や水洗浄、NBIなどを使いながら丁寧に観察することが重要です。

 

Q8. 大腸カメラは痛い・苦しい検査ですか?

A. 大腸カメラに不安を感じる方は多いですが、当院では鎮静剤の使用、スコープ操作の工夫、挿入時の調整などにより、できるだけ苦痛の少ない検査を目指しています。過去につらい経験がある方もご相談ください。

 

Q9. 便潜血陽性で受診するタイミングはいつがよいですか?

A. 便潜血陽性を指摘されたら、できるだけ早めに消化器内科を受診してください。特に血便、便が細い、腹痛、体重減少、貧血などを伴う場合は、早めの相談が大切です。

 

Q10. 家族に大腸がんがいなくても大腸カメラは必要ですか?

A. 家族歴がない方でも大腸ポリープや大腸がんが見つかることはあります。便潜血陽性は大腸からの出血を疑うサインですので、家族歴の有無にかかわらず精密検査を受けることが大切です。

まとめ

便潜血陽性は、大腸のどこかで出血が起きている可能性を示す大切なサインです。痔が原因のこともありますが、大腸ポリープや大腸がん、大腸炎などが隠れていることもあります。

  • 便潜血陽性は、大腸がん確定ではありませんが、精密検査が必要な結果です。
  • 半年前に大腸カメラで異常なしでも、見逃されやすい病変が隠れていることがあります。
  • 鋸歯状腺腫・鋸歯状病変は、扁平で色調が周囲と似ており、見つけにくいことがあります。
  • 便潜血陽性を放置せず、大腸カメラで出血源を確認することが大切です。
  • 当院では、苦痛を抑えながら丁寧な観察を行う大腸カメラに対応しています。
便潜血陽性で不安な方へ

便潜血陽性は、症状がない段階で大腸の異常を知らせてくれることがあります。

「半年前に大腸カメラを受けたから大丈夫」「痔だと思うから様子を見よう」と判断せず、一度消化器内科でご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

関連ページ

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

クリックしてGoogleMapを表示

所在地

〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

▶【WEB予約】

 

参考文献

  1. 国立がん研究センター. 「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」2024年度版公開. https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2024/1127/index.html
  2. 国立がん研究センター中央病院. 大腸がん検査について. https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/170/index.html
  3. Zorzi M, et al. Follow-up colonoscopy after positive faecal immunochemical test and colorectal cancer mortality. Gut. 2022;71(3):561-567.
  4. Kashida H. Endoscopic diagnosis of sessile serrated polyp: A systematic review. Digestive Endoscopy. 2019;31(1):16-23.
  5. Obuch JC, Pigott CM, Ahnen DJ. Sessile Serrated Polyps: Detection, Eradication, and Prevention of the Evil Twin. Current Treatment Options in Gastroenterology. 2015;13(1):156-170.

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

HOME

ブログカレンダー

2026年10月
月 火 水 木 金 土 日
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME