実際の治療例【慢性的な左下腹部の鈍痛…婦人科・大腸検査で異常なしも“癒着”が原因だった】
「ずっと左下腹部が重い」「婦人科や大腸カメラでは異常なしと言われたのに症状が続いている」──
そんな経験はありませんか?
検査で異常が見つからなくても、腸の“癒着”が原因で違和感や痛みが続くケースがあります。
今回は、複数の病院で「異常なし」と診断されながら、当院で原因を突き止め治療によって改善した実際の患者さんのケースをご紹介します。
40代 女性 慢性的に左下腹部に違和感や鈍痛がある
【症状】
2年ほど前から度々左下腹部に違和感や軽い鈍痛を感じており、婦人科を受診し内診やエコー検査・MRIを受けるも異常は指摘されず、消化器内科を勧められ同院で大腸カメラを受けましたが異常なく、一旦は様子見となっていました。
ただその後も症状が一向に消えず、「何か病気の見落としがあるのではないか」、「治療法がないか」と当院を受診されました。
【診察・検査】
女性の左下腹部の原因として下記が考えられます。
・下降結腸やS状結腸などの大腸疾患
・腹腔内の疾患
・婦人科系の疾患
婦人系疾患については異常なしであったとのことと、ご本人より消化器系疾患について見落としががないかを再度調べたいとの希望があり、
当院では大腸カメラ・腹部エコーを行いました。
【検査】
腹部エコーでは左下腹部・腹腔内に症状の原因となる異常はありませんでした。
大腸カメラでも観察する限りは炎症やガンなどはありませんでしたが、S状結腸でのスコープ操作時に硬化を認め癒着の可能性が考えられました。
【実際の大腸カメラの画像】硬化のある部分でスコープ操作が制限され癒着を考えますが、大腸の中を観察する限りは炎症やガンなどの異常所見は認めておりません。
この部分に癒着があるせいで、便の通過時の刺激性の疼痛・ガスのたまりによる圧迫性の違和感・蠕動痛などが出やすい状態と考えられました。
【大腸の癒着について】
癒着性の痛みや違和感は大腸カメラで観察する限りは異常所見がないため、“異常なし”と判定されてしまうことが少なくありませんが、
スコープ操作に熟練した医師が検査を行うことで、大腸の硬さやカーブの状態・癒着があるかどうかなど画像には映らない大腸の状態を正しくを把握することが出来ます。
大腸の癒着は、
- 腹部手術
- 大腸の炎症
- 周りの小腸や婦人科系の臓器の炎症
などが原因で生じてきます。
過去に細菌性の激しい感染性大腸炎の既往があり、その改善過程で癒着が生じたと考えられました。
【治療】
癒着による症状は数年以上経ってから起こることも多く、治療としては手術による癒着剥離・症状に対しての対症療法がありますが、
今回はまず薬による対症療法を希望されました。
<治療内容>
- 癒着部に圧がかかりにくくするため、大腸の動きを整える運動調整剤
- 大腸の過剰な蠕動やそれに伴う蠕動痛を抑える漢方
を用いて治療を開始しました。
治療効果は1週間ほどで現れ、今まで感じていた違和感がかなり減ったとのことでした。
そのまま1か月ほど続けてみたところ、違和感・鈍痛ともほぼ消失し非常に喜んでおられました。
ご本人的には処方した漢方がすごく合っているとのことで、現在も漢方を継続し安定した状態を維持しています。
【院長からのコメント】
癒着による痛みや違和感は検査しても異常所見としてとらえることが出来ないことも多く、
「ストレス性」や「原因不明」といった診断になり、治療がうまくいかなかったり、治療しないまま様子見で終わりになってしまうこともあります。
そのような場合でも熟練した医師が検査を再検することで正しく腸の状態が把握でき、適切な治療が行える場合もあります。
症状にお悩みの方はお力になれることもありますので、一度ご相談ください!
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
💡まとめ
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婦人科・消化器内科で異常なしと言われても、腸の癒着性変化が原因となることがある
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癒着は過去の炎症・感染・手術歴から数年後に症状を出すこともある
-
熟練した内視鏡専門医が診察・検査を行うことで、原因が明らかになり治療できる可能性がある
FAQ(よくある質問)
Q1. 手術歴がなくても腸の癒着は起こるのですか?
A. はい。癒着は手術だけでなく、感染性大腸炎・婦人科疾患の炎症・腹膜炎などの炎症性疾患でも生じます。過去の病気が数年後に癒着症状として現れることもあります。
Q2. 市販薬で癒着による症状は改善しますか?
A. 一時的に整腸剤や鎮痛剤で楽になることはありますが、根本的な治療にはならないことが多いです。症状が続く場合は消化器内科での診察をおすすめします。
Q3. 癒着は手術でしか治せないのですか?
A. 症状が強く生活に支障がある場合は癒着剥離術を行うこともありますが、多くは薬物療法(大腸の運動調整剤・漢方など)でコントロール可能です。当院でもまずは保存的治療から行っています。
Q4. 癒着かどうかはどんな検査でわかりますか?
A. 腹部エコーやCTでははっきりしないことが多いですが、大腸カメラを熟練医が行うことでスコープの通過感や硬さから推測できます。
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
