下痢が3日止まらない…原因は“数日前の焼き鳥”?|カンピロバクター腸炎の実例と治療を専門医が解説
「下痢が3日止まらない」
「市販薬を飲んでも良くならない」
そんな状態が続くと、多くの方が不安になります。
特に食べてから数日後に症状が出る腸炎は、原因が分かりにくく、受診が遅れてしまいがちです。
今回は、20代女性で3日前から下痢と腹痛が続いていたケースをもとに、原因となった「カンピロバクター腸炎」について、症状・診断・治療を専門医の神谷院長が分かりやすく解説します。
下痢・腹痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|20代女性「3日前から下痢が止まらない」
【症状】
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3日前から水様の下痢が続く
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食事をしてもすぐにお腹が痛くなる
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発熱は軽度
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市販薬では改善しない
ということで来院されました。
【診察】
下痢や腹痛が続く場合、以下のような疾患をまず考えます。
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感染性腸炎(細菌・ウイルス・寄生虫)
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過敏性腸症候群(IBS)
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潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
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薬剤性腸炎
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大腸虚血
症状だけでの鑑別は難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査・腹部エコーを行いました。
【検査】
血液検査
炎症反応の上昇を確認。
腹部エコー
上行結腸〜横行結腸にかけて大腸壁(黄色部分)が11㎜と肥厚し(矢印部分)しており、大腸炎の所見を認めました。
症状が出る3日前に焼き鳥を食べていたとの病歴と合わせて、カンピロバクター腸炎と診断しました。
【カンピロバクター腸炎とは?】
カンピロバクターは鶏肉などに多く見られる細菌で、
食後1〜7日(平均2〜3日)ほど経ってから発症するため、原因を思い出しづらい特徴があります【1】。
主な症状
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下痢(ときに血便)
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腹痛
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発熱
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吐き気
放置するとどうなる?
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数週間症状が続く例もある
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腸炎後過敏性腸症候群(Post-infectious IBS)へ移行することがある【2】
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まれにギラン・バレー症候群の引き金になることがある【3】
このため適切な治療が非常に大切です。
関連ページ
▶カンピロバクター腸炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
【治療】
①内服治療;整腸剤 漢方薬
下痢・腹痛といった胃腸炎症状を和らげます。
②抗生剤
今回のように症状や炎症が強く悪化の懸念がある場合に使用します
③食事指導
下痢による脱水予防のためOS1やポカリスエットなどの体に吸収されやすいものをこまめに摂取していただくこと、炎症のため消化吸収機能が十分に働かないためおかゆなどの消化しやすいものを召し上がっていただくこととしました。
【経過】
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2日目:下痢と腹痛減少。
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5日後再診:ほぼ改善。
その後も過敏性腸症候群やギランバレー症候群の発症もなく、診療終了となりました。
院長からのコメント
カンピロバクター腸炎は、特に鶏肉(焼き鳥・レバー・たたきなど)を原因とすることが多い腸炎です。
特徴として、食べた直後ではなく数日後に発症するため、原因に気づきにくい点があります。
数日以上続く下痢は、感染症だけでなく炎症性腸疾患を含む複数の病気が隠れている可能性があります。
「様子を見る」で長引かせてしまう前に、早めの受診をおすすめします。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. カンピロバクター腸炎は自然に治りますか?
軽症であれば自然軽快することもありますが、改善まで長引くことが多く、抗菌薬が必要な例もあります【1】。
Q2. 下痢が何日続いたら受診すべきですか?
丸2日以上続く場合は受診がおすすめです。脱水や別の疾患の可能性があります。
Q3. 食べてすぐ発症しないのはなぜ?
体内で細菌が繁殖して発症するのに時間を要するためです。その間の潜伏期間が1〜7日あります。
Q4. 血便が出ることもありますか?
あります。粘血便は典型的所見のひとつです。
Q5. 人にうつりますか?
家族内感染は少ないですが、排泄物を介した感染が起こることがあります。
Q6. 整腸剤だけでは治りませんか?
細菌性腸炎の場合は不十分なことが多いです。
Q7. ギラン・バレー症候群はどの程度の割合で発症しますか?
頻度は0.1〜0.3%程度と稀ですが、関連が知られています【3】。
Q8. 下痢で脱水になることもありますか?
あります。尿量減少・口渇・立ちくらみがある場合は点滴治療が必要になります
Q9. 病院に行く前に市販薬を飲んでもよい?
整腸剤はOKですが、下痢止めの単独使用は推奨されません。
Q10. 再発予防はどうすれば?
十分な加熱、包丁の使い分け、生肉の取り扱いに注意することが重要です。
まとめ
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カンピロバクター腸炎は食後数日経ってから発症することが多い
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下痢・腹痛・発熱が典型的
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適切な治療をしないと長引きやすい
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腸炎後IBSやギラン・バレー症候群の合併に注意
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3日以上下痢が続く場合は早めの受診が重要
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
関連ページ
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▶ 感染性腸炎とは?原因と治療
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▶ 下痢が続くときの検査の流れ
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▶ 大腸カメラ検査について
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▶ 腹部エコーでわかる病気
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▶ 過敏性腸症候群(IBS)の治療ページ
参考文献
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WHO: Campylobacter Fact Sheet
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Spiller R. “Postinfectious IBS.” Gastroenterology.
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Nachamkin I. et al. “Campylobacter infection and Guillain-Barré syndrome.”
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
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