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右下腹部の鈍痛が1年続く…「過敏性腸症候群」と言われたのに改善しない原因は“クローン病”だった実例

[2025.12.24]

「右下腹部が、ずーんと重い」「痛いほどではないけど、毎日気になる」——。

この“鈍痛”が長く続くと、つい「ストレスかな」「過敏性腸症候群(IBS)かな」と考えがちです。

ただ、右下腹部は“クローン病(小腸の病気)”が隠れやすい場所でもあります。

大腸内視鏡で「異常なし」と言われても、小腸の末端(回腸末端)まで十分に観察されていないと、見落とされることがあります。

今回は、実際に当院で再検査を行い、クローン病が見つかった30代男性のケースをもとに解説します。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

右下腹部の痛みでお困りの方は是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|30代男性「1年前から右下腹部痛が続いている」

【症状】
  • 30代男性

  • 右下腹部の鈍痛が約1年続く

  • 他院で大腸内視鏡:異常なし

  • 「過敏性腸症候群」と言われ薬を試すも改善なし

  • 不安が続き当院を受診

 

【診察】

右下腹部の痛みは、腸以外の原因もあります。

診察では「痛みの場所・持続時間・便通・発熱・体重減少・血便・薬(NSAIDsなど)・家族歴」などを確認し、次のような病気の可能性を考えました。

  • クローン病(小腸末端〜大腸の炎症)

  • 虫垂炎(慢性化・虫垂周囲炎を含む)

  • 感染性腸炎/回腸炎(細菌・ウイルスなど)

  • NSAIDs(痛み止め)による小腸炎

  • 腸結核、ベーチェット病など(病歴や所見で検討)

  • 大腸憩室炎(盲腸側)、腫瘍性病変

  • 尿管結石、鼠径ヘルニア、筋骨格系の痛み など

正しく状態を把握し、治療方針を立てるため、ご本人と相談し大腸カメラ(内視鏡検査)を再度行うこととしました。

 

【実際の内視鏡画像】

  • 大腸の奥の小腸末端(回腸末端)に炎症像を確認(黄色部分)

  • 生検(組織検査)も行い、結果と内視鏡所見を合わせてクローン病と診断

右下腹部痛がある場合は、大腸カメラの際には大腸と小腸のつなぎ目からさらに小腸側の回腸末端(小腸の出口)まで観察することが推奨されます【1】【2】。

前医ではこの部分の観察を行っておらず、病変が見逃されてしまった状態でした。

 

クローン病とは?

クローン病は炎症性腸疾患と呼ばれる体の免疫機構の異常によって腸に慢性的な炎症が起こる疾患です。

ヒトの体内にはウイルスや細菌が体内に侵入した際に攻撃する免疫細胞(白血球など)がありますが、

この細胞が腸や本来共存すべき腸内細菌に対して攻撃的に働いてしまい、腸の粘膜に慢性的に炎症が引き起こされます。

特に、小腸末端〜大腸のつなぎ目(回盲部)は病変が出やすく、右下腹部痛の原因になります。

よくある症状
  • 腹痛(特に右下腹部)

  • 下痢、軟便

  • 発熱、だるさ

  • 体重減少

  • 肛門のトラブル(痔ろう等)

  • 血液検査で炎症反応が出ることも

ただし、初期や軽症では「下痢が目立たない」「鈍痛だけ」ということもあり、見逃されやすいのが難点です。

 

【治療】

クローン病は小腸全体に病変があることがあり、範囲や合併症(狭窄・瘻孔など)評価のために、次のような“全小腸評価”が重要です。

  • MRエンテログラフィ(MRE)/CTエンテログラフィ

  • 小腸造影

  • カプセル内視鏡(条件が合えば)

  • バルーン内視鏡(必要時)

画像検査(特にMREなどの断層画像)は、小腸病変や合併症評価に重要とされています【2】【5】。

このため今回は、全小腸検査と専門治療が可能な高次医療機関へご紹介し、同院で治療となりました。

院長からのコメント

右下腹部の痛みが長く続くと、「大腸カメラで異常なし=問題なし」と思ってしまいがちです。

しかし、右下腹部では “小腸末端のクローン病”が隠れていることがあります。

クローン病が疑われる場合、大腸内視鏡で回腸末端まで観察し、生検を行うことが診断の要になります【1】【2】。

「IBSと言われたけど良くならない」「痛みがずっと続く」——

そんな時は、検査のやり直しが“正しい診断の鍵”になることがあります。

お困りの方はお力になれますのでお気軽にご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問

Q1. 右下腹部の鈍痛が1か月以上続くのは普通ですか?

A. 体質で起こることもありますが、炎症性腸疾患(クローン病など)が隠れることがあります。長引く場合は検査をおすすめします【4】。

Q2. 大腸カメラで「異常なし」ならクローン病は否定できますか?

A. 否定できません。回腸末端まで十分に観察できていない場合や、病変が小腸側に限局する場合があります【1】【2】。

Q3. クローン病はどんな検査で診断しますか?

A. 基本は回腸末端までの大腸内視鏡+生検です【1】。加えて小腸全体の評価にMREなどの画像検査を組み合わせます【2】【5】。

Q4. 右下腹部痛=虫垂炎ですか?

A. 虫垂炎のこともありますが、慢性的に続く場合は別の原因(クローン病、腸炎、結石など)も検討します。

 Q5. 痛み止め(NSAIDs)をよく飲みます。関係ありますか?

A. NSAIDsは胃だけでなく小腸炎を起こすことがあり、症状や内視鏡所見と合わせて鑑別します【2】。

Q6. クローン病は遺伝しますか?

A. 体質や環境要因が関与します。家族内発症はありますが、必ず遺伝する病気ではありません【4】。

Q7. 仕事が忙しくストレスが多いです。ストレスでクローン病になりますか?

A. ストレスだけで発症するわけではありませんが、症状の増悪に関与することはあります。まずは炎症の有無を検査で確認します。

Q8. 下痢がなくてもクローン病の可能性はありますか?

A. あります。初期や軽症では腹痛が中心のこともあります【4】。

Q9. クローン病は完治しますか?

A. 体質的な要素もあり「完治」というより、寛解(落ち着いた状態)を維持して生活の質を保つことが目標になります【6】。

 Q10. すぐ受診すべき危険サインは?

A. 発熱、血便、急な体重減少、夜間の痛み、嘔吐、強い腹痛、貧血、腸閉塞疑い(お腹が張ってガスも出ない)がある場合は早めの受診が必要です。

 

まとめ

  • 右下腹部の鈍痛が長引く場合、IBSだけでなくクローン病が隠れることがあります

  • 診断には、回腸末端までの大腸内視鏡観察+生検が重要です【1】【2】

  • クローン病は小腸全体評価が必要なことが多く、MREなどの画像検査が役立ちます【2】【5】

  • 「異常なし」と言われても改善しないときは、大腸カメラの再検討が有効です

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関連ページ

参考文献

  1. ACG Clinical Guideline: Management of Crohn’s Disease in Adults(Ileocolonoscopy with biopsies を推奨)【1】 

  2. ECCO-ESGAR Guideline for Diagnostic Assessment in IBD(回腸末端までの内視鏡評価を重視)【2】

  3. 日本消化器内視鏡学会:炎症性腸疾患内視鏡診療ガイドライン(小腸検査・内視鏡の位置づけ)【3】 

  4. 難病情報センター:クローン病(指定難病96)(一般向けの概要)【4】

  5. Magnetic Resonance Enterography and Intestinal Ultrasound for Crohn’s Disease(小腸評価における画像検査)【5】 

  6. ECCO Guidelines on Therapeutics in Crohn’s Disease: Medical Treatment(2024)【6】

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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