【要注意】朝から血便で便器が真っ赤…「虚血性腸炎」だった|当日大腸カメラで診断した実例|巣鴨駅前胃腸内科クリニック
便意で目が覚め、排便後に確認すると便器が赤くなるほどの血…。
血便は「痔かな?」で済むこともありますが、大腸の炎症や出血が隠れていることがあります。
特に突然の繰り返す血便では、虚血性腸炎が原因になるケースもあります。
虚血性大腸炎は一般に「腹痛+下血」が典型とされますが、経過や重症度によっては症状の出方が揃わないこともあります【2】。
このページでは、巣鴨駅前胃腸内科クリニックに来院された「朝から血便」の実例をもとに、見逃せない病気の見分け方/当日できる検査/治療/再発予防を患者さん向けにわかりやすくまとめます。
血便でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|70代女性「朝からの血便」
【症状】
朝6時頃、便意で目が覚めて排便。確認すると血で便器が赤くなっていた。
その後も数回血便が続いたため当院を受診されました。
【診察】
血便は原因が幅広いため、診察では以下を短時間で整理し
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出血の量(紙につく程度/便器が赤い/血の塊)
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便の性状(下痢・便秘・普段と同じ)
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腹痛、発熱、吐き気
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服薬(抗血栓薬、NSAIDsなど)
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便秘や脱水、最近の体調変化
次のような疾患の可能性を考えました。
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痔(いぼ痔・切れ痔)
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大腸憩室出血(痛みが少なく突然多めに出ることも)
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虚血性腸炎
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感染性腸炎
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潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患(IBD)
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大腸ポリープ/大腸がん
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血管病変(angiodysplasia など)
正しく状態を把握し、治療方針を立てるため大腸カメラ(内視鏡検査)を行いました。
【実際の内視鏡画像】
クリックすると拡大します
横行結腸からS状結腸にかけて片側に偏った炎症像を認め(黄色部分)、症状と合わせて虚血性腸炎と診断しました。
虚血性腸炎とは
虚血性腸炎(虚血性大腸炎)は、大腸への血流が一過性に低下して粘膜が傷つき、炎症や出血を起こす病気です【2】。
多くは粘膜~粘膜下層の障害にとどまり、支持療法で改善することが多い一方、重症例では注意が必要です【2】。
どんな人に起こりやすい?
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60歳以上(動脈硬化などの背景)【2】
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便秘・いきみがきっかけになることがある
→ 国内の臨床検討でも、便秘や努責(いきみ)を背景に持つ症例が一定数報告されています【1】 -
脱水、血圧変動、血管リスク(高血圧・脂質異常など)【1】【3】
典型症状
教科書的には「腹痛+下血(血便)」が中心とされ、診断はCTまたは大腸内視鏡で行います【2】。
ただし実際の現場では、痛みの強さやタイミング、下痢の有無など、症状の組み合わせが揃わないこともあるため、血便が出た時点で評価が大切です。
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▶虚血性腸炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
【治療】
虚血性腸炎の多くは重症化せず、腸を休める治療(保存的治療)で改善します。
今回も食事療法と投薬を行い3日ほどで改善し終診となりました。
血便時の受診・救急の目安
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出血が止まらない/量が多い
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めまい・ふらつき・動悸(貧血やショックのサイン)
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強い腹痛、発熱、嘔吐
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黒い便(タール便)
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抗血栓薬内服中で大量出血が疑われる→ 早めに医療機関へ(夜間なら救急も含めて)をおすすめします。
院長からのコメント
血便は「痔の出血」で済むこともありますが、便器が赤くなるほどの出血や、繰り返す血便は、痔以外の病気も必ず考える必要があります。
虚血性腸炎は比較的よく出会う病気で、多くは改善しますが、原因の見極め(鑑別)と、必要な検査の段取りがとても重要です【2】【3】。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、可能であれば当日大腸カメラまで進め、難しい場合でも腹部エコーなどで代替評価を行い、患者さんの不安を減らしながら診断につなげます。
血便でお困りの方は是非ご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問
Q1. 朝に突然、鮮やかな血便が出ました。まず何を確認すればいいですか?
A. ①出血量(便器が赤い/紙につく程度)②回数③腹痛・発熱④めまい/ふらつき⑤抗血栓薬の内服、をチェックしてください。量が多い・繰り返す場合は早めに受診がおすすめです。
Q2. 血便の色が「真っ赤」だと、どこから出血している可能性が高いですか?
A. 一般に、鮮紅色は肛門〜大腸からの出血が多いです。ただし、色だけで原因は決められないため、症状や検査で判断します。
Q3. 「虚血性腸炎」は便秘が関係するって本当ですか?
A. はい。便秘や強いいきみがきっかけになることがあります。再発予防のためにも、便通のコントロールが重要です。
Q4. 虚血性腸炎は“食あたり”とどう違うんですか?
A. 食あたり(感染性腸炎)は発熱や強い下痢が目立つことが多い一方、虚血性腸炎は突然の血便や腹痛が中心で、年齢や便秘などの背景も手がかりになります(ただし症状は重なることもあります)。
Q5. 痔がある人は、血便が出ても痔のせいと考えていいですか?
A. 痔があっても、別の原因(憩室出血・大腸炎・ポリープなど)が同時に起きることがあります。特に「いつもと違う量」「便器が赤い」「繰り返す」場合は検査をおすすめします。
Q6. 虚血性腸炎は放っておくと危険ですか?
A. 多くは保存的治療で改善しますが、出血が多い・強い腹痛・発熱・嘔吐・ぐったりする場合は重症の可能性もあるため、早めの評価が必要です。
Q7. どのタイミングで救急受診した方がいいですか?
A. 次の症状があれば救急も含めて検討してください:・便器が赤くなる出血が続く/血の塊が出る、めまい・ふらつき・冷汗・動悸・強い腹痛、38℃以上の発熱、嘔吐・黒い便(タール便)
Q8. 当日大腸カメラが難しい日は、何もできないのでしょうか?
A. いいえ。前処置や予約状況で当日が難しい場合でも、まず血液検査や腹部エコーで緊急性の評価を行い、必要なら最短で大腸カメラにつなげます。
Q9. 血液サラサラの薬(抗血栓薬)を飲んでいます。血便が出たら止めるべき?
A. 自己判断で中止しないでください。薬を止めることで別のリスクが上がることがあります。出血量と原因に応じて対応が変わるので、まず受診して相談しましょう。
Q10. 虚血性腸炎が治った後、再発を防ぐためにできることは?
A. 便秘と脱水を避けることがポイントです。・水分をこまめにとる・便秘を我慢しない(必要なら薬で調整)・冷え・過度な我慢・強いいきみを避ける・高血圧や脂質異常などの管理も大切です
まとめ
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朝の血便、便器が赤いほどの出血は要注意
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痔だけでなく、虚血性腸炎・憩室出血・大腸炎・大腸がんなど幅広い鑑別が必要
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虚血性腸炎はCTまたは大腸内視鏡で診断し、治療は多くが保存的治療【2】【3】【4】
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巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、可能なら当日大腸カメラ、難しい場合もエコー等で代替評価し最短で診断へ
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参考文献
【1】小林晃 ほか. 虚血性大腸炎22例の臨床的検討. 日本救急医学会誌(J-STAGE)2017
【2】MSDマニュアル プロフェッショナル版「虚血性大腸炎」(2023改訂).
【3】ACG Clinical Guideline: Colon Ischemia. Am J Gastroenterol. 2015.
【4】奈良県医師会「虚血性腸炎(きょけつせいちょうえん)ってなに?」(2023).
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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