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実際の治療例 “食べるとすぐ胃が張ってしまう”

[2023.10.31]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

20代 男性 食べるとすぐ胃が張ってしまい量がとれない

【症状】

以前から食は細い方とのことでしたが、1か月ほど前から食事をするとすぐに胃が張って満腹になるとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

触診では特に異常はなく、1か月半前から転職をして職場の環境に慣れていないなどのストレス環境があるとのことから、機能性ディスペプシア(特に疾患があるわけではないのに胃の機能の調整機能が崩れて起こる症状)を疑いました。

関連ページ:機能性ディスペプシア

 

【検査】

実際に症状を起こすような病気がないかをチェックするため腹部レントゲン腹部エコー胃カメラなどの検査を行いました。

腹部レントゲンでは異常ガスなどはなく、腹部エコーでも肝胆膵などの上腹部の臓器に異常は認めませんでした。

胃の中の病変のチェックのため胃カメラも行いましたが、胃のポリープを認める程度でピロリ菌もなく、症状の原因となる病変はない状態でした。

※今回見つかった胃のポリープは胃底腺ポリープと呼ばれる治療の必要ない良性ポリープで、症状の原因とはならないものです。

関連ページ:胃底腺ポリープ 胃内視鏡(胃カメラ)

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【治療】

検査では特に病気はなく、機能性ディスペプシアと診断し、投薬治療を行いました。

食後すぐの胃の張りは、胃の動き(弛緩・排出)といった機能の調整不良で起こることが多く胃の動きを改善する薬アコチアミド漢方)を投薬して経過を見ることとしました。

 

【経過】

アコチアミドは胃の弛緩や排出機能を改善し腹満感や張りを和らげてくれるというデータがしっかりと証明された薬1)で、機能性ディスペプシアのガイドラインでも推奨されています2)

実際に2週間後の再診の際に状態を伺うと、投与開始して5日程経つと症状が少しづつ緩和し、再院時には「食後の張りがまだ若干気にはなるが来院前からすると良くなってきた状態」とのことで、今回も効果を発揮してくれました。

もともとは職場環境の変化というストレスを機に発症した機能性ディスペプシアと考えられますが、ご本人も徐々に職場に慣れていけそうとのことで、しばらくは投薬を継続し、8週目の再診時には症状はほとんど改善したとのことでアコチアミドは中止としました。

以前から食が細いのも気になっているとのことで、体質的な部分を改善するため漢方は継続し、また当院オリジナルサプリのi-katsuのに含まれるダイダイ・麦芽・萊菔子は胃の運動を促進し食欲を増幅させる作用があるため3)、あわせてi-katsuも飲んで頂くこととし、現在では以前に比べると食事量も増えてきたとのことであり、このまま漢方とサプリを継続していく方針としています。

※i-katsuを使った他の治療例は “i-katsuの治療例” からご覧いただけます。

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参考文献:

1)Nakamura K,et al:J Gastroenterol 52(5):602,2017   2)日本消化器病学会編 :機能性消化管疾患ガイドライン2021  3)堀江 俊治等 和漢医薬学雑誌  24(Supplement), 79, 2007-08-20

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

■関連ページ■

機能性ディスペプシア

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