実際の治療例 “食欲がなく体重がどんどん減る”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
50代 男性 食欲がなく体重がどんどん減る
【症状】
6か月ほど前から「食欲がわかない」「食べる気がしない」との症状があり、当初は高血圧症でかかりつけの内科に相談され、薬を出されて様子見となりました。
2か月ほど薬を飲んだものの症状が一向に改善せず、また体重もここ2か月で4kgほど減ったこともあり、心配され当院を受診されました。
【診察】
食欲不振に加え、体重減少もあることから何らかの病気が潜んでいる可能性があり、まずは腹部エコーの検査を行うことにしました
【検査】
食事を摂らずに来院されたので、当日すぐ腹部エコーを行い状態を確認しました。
膵臓に腫瘍(進行がん)を疑う所見を認めました。(写真の黄色矢印で囲まれた黒い領域)
関連ページ:腹部エコー なぜ膵臓は腹部エコーで観察しづらいのか?
【治療】
膵臓癌などの病気に伴う食欲不振は原因疾患の治療が症状の治療になるため、早急にがん治療に特化した専門病院にご紹介しました。
【経過】
紹介先の病院でCTを行い膵臓癌と確定診断がつきました。
ステージⅢ期で放射線化学療法を行う方針となられ、同院で治療を行う方針となりました。
長期間にわたる食欲不振や短期間での体重減少を伴う食欲不振は、ガンなどの重大な病気による可能性があるため、なるべく早めに受診して頂き、少しでも病気が進む前に診断することが大切となります。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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