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実際の治療例 “1-2か月前から便が細くなった”

[2024.03.25]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代 男性 便が細くなった

 

症状

数か月前から便が細くなってきて、腹部の張りも気になり始めたとのことで来院されました。

 

診察

便が細くなる要因として、腫瘍などの出来物による大腸の内腔の狭窄大腸の蠕動運動の問題などで生じることがあり、大腸内視鏡を行い状態を確認することにしました。

 

【大腸内視鏡検査

直腸に腫瘍を認め、生検にて直腸がんと診断しました。

出血を伴う不整な隆起(矢印部分)を認め、進行直腸がんを疑い生検を行い、がんと診断しました

この大腸がんによって管腔が狭まることで便が細くなっている状態でした。

ガンによって大腸の内腔は狭窄して(青丸部分)、検査スコープは通過ができない状態でした。

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治療・経過

大腸ガンは早期の状態であれば内視鏡で治療が可能ですが、進行がんの状態になると手術や抗がん剤治療が必要となります。

今回は内視鏡上は進行がんの状態であり、高次医療機関でCTなどで大腸がんのステージを評価して治療方針を決める必要があり、対応できる医療機関に紹介となりました。

紹介先の病院で、stageⅢAの診断で手術と抗がん剤治療となりましたが、無事に根治できました。

 

大腸ガン自体は、ポリープから始まり大きくなってガン化し、早期ガンとなりそこから進行ガンになっていきます。

今回のような閉塞をきたす進行がんになるまではポリープの状態から5年以上はかかると思われますが、ポリープの状態や早期ガンの段階では症状が出ることはほぼなく、進行がんになりある程度成長してようやく便が細くなるといった症状や、お腹が張る血便などの症状が出てきます。

ただその段階になると内視鏡治療は困難で、手術・抗がん剤治療を行ったり、また転移をきたした場合は根治治療が難しく命にかかわることもあります。

 

大腸がんのほとんどはポリープから発生するため、ポリープの段階で発見し切除することが大腸がんの予防に直結するので、自覚症状がなくとも定期的に大腸内視鏡を受け、大腸がんの予防・早期発見を行っていくことが重要です。

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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