実際の診療例 “便潜血陽性で指摘された大きな大腸ポリープ”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代 女性 便潜血陽性
【症状】
特に自覚症状はありませんが、人間ドックでうけた便潜血検査で陽性が出たとのことで当院を受診されました。
【診察】
便潜血検査は大腸がん検診の位置づけとなる検査で、実際に便潜血反応陽性の方に大腸カメラの検査をすると3%程度に大腸がんが見つかっており、がん以外にもポリープや大腸炎などがあり、大腸カメラを行うことにしました。
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【検査】
大腸カメラを行うと大腸ポリープを認めました。
矢印部分で囲まれた部位がポリープになります。15㎜大と比較的大きなポリープです。
15㎜大と比較的サイズが大きなポリープでしたので、ガン化していないかをNBIというモードに変更し拡大観察の上、内視鏡的に切除可能かどうかをチェックして切除しました。
NBIモードでの観察です。色調が緑色調になり表面の構造や血管の状態が見やすくなります。このモードでポリープをしっかりと観察して、進行ガンの兆候がないことを確認し、切除しました。
ポリープのサイズが大きく切り口からの出血予防のため医療用クリップで傷口を縫縮して手技終了となりました。
※医療用クリップは粘膜の再生とともに自然に外れ、1-2週間で便と一緒に排出されます。
ポリープを内視鏡で切除しました。サイズが大きく切り口からの出血のリスクがあるため医療用クリップ(黄色円部分)でしっかりと止血を行いました。
その後も出血などの合併症なく、切除後の病理検査結果も良性でガン化はなく、治療は終了となりました。
このように比較的大きなポリープでも今回のように止血処置・出血予防をしっかりと行うことで外来でも切除することが可能です。
大腸がんはほとんどがポリープ由来であり、ポリープの段階で見つけ切除することが大腸がんの予防に直結します。
今回のように便潜血検査を契機にポリープが発見されることも度々あり、便潜血陽性の際には大腸カメラを受けることは大切です。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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