その血便、大丈夫?若年者に増えている大腸がん|症状・検査のタイミングを専門医が徹底解説
「血便が出たけど、たぶん痔」「便が細い気がするけど、若いし大丈夫」――
こうして様子見してしまう方は少なくありません。
ただ近年、50歳未満の若年発症の大腸がんが増えていることが、日本を含む国際的な解析で報告されています【1】【2】。
このページでは本院向けに、“若い人が迷いやすい症状”に絞って、大腸がんのサインと、どのタイミングで便検査・大腸カメラを考えるべきかを、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
増えている若年大腸がん
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大腸がんは年齢とともに増えますが、20〜49歳の若年層で増加傾向が報告されています【1】【2】。
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一方、血便や腹部不調の多くは 痔・腸炎・機能性(IBS) など良性の原因であることも多いです。
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大切なのは、“年齢できめつけないこと” ことと、“必要な人に必要な検査を早めに行う” ことです。
原因と鑑別疾患
若年でもリスクが上がる背景
若年大腸がんは原因が1つに決まるわけではありませんが、背景として次が知られています。
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家族歴(親族の大腸がん/大腸ポリープ)
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遺伝性腫瘍(リンチ症候群、家族性大腸腺腫症など)
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
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生活習慣(肥満など)との関連が示唆【1】
鑑別(似た症状が出る主な病気)
血便・便通異常・腹痛は、次の病気でも起こります。
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痔(いぼ痔/切れ痔):鮮血が付く、排便時痛があることも
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感染性腸炎:下痢・腹痛・発熱(急に出ることが多い)
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炎症性腸疾患:血便+下痢が続く、体重減少
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大腸ポリープ:症状が乏しいこともあるが、出血源になり得る
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過敏性腸症候群(IBS):便通変化はあるが、血便は基本的に説明しにくい
必要な検査
まず知っておきたい:便潜血検査は40歳からが基本
日本の指針では、大腸がん検診として便潜血検査(免疫法)を推奨し、開始年齢は40歳推奨とされています【3】。また一般向けにも40歳から年1回が案内されています【4】。
ただし、症状がある場合は年齢に関係なく、医療機関での評価(必要なら大腸カメラ)を検討します。
受診・大腸カメラを考える目安
次のいずれかがあれば、早めの受診をおすすめします。
1)血便がある(特に要注意)
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1回で止まったとしても、繰り返す/量が増える
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便器が赤くなる、レバー状の血、黒っぽい便(タール便)
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血便に加えて、便通変化・体重減少・貧血がある
2)便通異常が“2週間以上”続く
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下痢と便秘を繰り返す
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いつもより回数が増えた/減った
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便が出てもスッキリしない(残便感)
3)便が細い・途中で切れる感じが続く
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“気のせい”のこともありますが、続く場合は狭窄の確認が必要になることがあります。
4)貧血(健診で指摘・息切れ・ふらつき)
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胃だけでなく大腸からの慢性出血が原因のこともあるため、症状と合わせて判断します。
検査の流れ
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問診(症状の期間、出血の色、家族歴、服薬など)
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血液検査(貧血・炎症など)
- 大腸内視鏡(大腸カメラ); 必要に応じてその場でポリープ切除や生検
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状況により腹部CTなど追加
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。
また鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しております。是非ご相談ください。
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
治療・予防
治療(病変の種類・深さで選ぶ)
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ポリープ切除(内視鏡):がんになる前段階を取ることで予防にも
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早期がんなら内視鏡治療(EMR/ESD)の対象
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手術:進行度に応じてリンパ節郭清を含む
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薬物療法:進行度に応じて併用
予防(できること)
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40歳以上は 便潜血検査を継続【3】【4】
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家族歴がある方は、年齢が若くても 早めに相談
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生活習慣(体重管理・運動など)の見直し(若年発症との関連が示唆)【1】
実際の症例:30代男性「家族歴が心配で、大腸カメラを希望」
受診のきっかけ・症状
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自覚症状:なし
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「父が大腸がんと診断され、自分も将来が心配になった。症状はないが一度きちんと調べたい」と受診されました。
※大腸がんは早期の段階では無症状のことが多く、進行すると血便・便通異常・貧血などが目立つ場合があります【1】。
大腸カメラ所見とその場での治療
大腸内視鏡検査で、S状結腸に約25mmの扁平型ポリープ(矢印部分)を認めました。
形が平たく目立ちにくいタイプで、慎重に観察したうえで早期がんの可能性を考え、その場で内視鏡切除を行いました。
病理結果(顕微鏡検査)
切除した病変はがんでした。
ただし、転移リスクが低い早期の段階であり、内視鏡治療のみで治癒切除と判断されました。
今後のフォロー(再発・見逃し対策)
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家族歴があることに加え、今回の病理結果も踏まえ、定期的な大腸カメラで経過観察を行う方針としました。
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次回以降の検査間隔は、切除方法(病変を一括で取れたか等)や病理所見に応じて調整します。
この症例のポイント
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30代でも、家族に大腸がんがいる場合は「一度は大腸カメラで確認」しておくと安心です。
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症状がなくても病変が見つかることがあり、早期に発見できれば内視鏡治療で根治が期待できます。
院長からのコメント
若年の大腸がんは“多数派”ではありません。ですが近年、若年層での罹患・死亡の増加が報告され、医療側としても「若いから大丈夫」とは言い切れない時代になりました【1】【2】。
一方で、血便の原因の多くは痔など良性のことも多いです。
だからこそ当院では、不安を必要以上に増やさず、問診と検査で「安全に切り分ける」ことを大切にしています。
迷ったら、まずは症状の整理からで構いません。早めに相談していただければ、必要な検査を一緒に判断できます。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問FAQ
Q1. 20代・30代でも大腸がんになることはありますか?
A. はい。頻度は高くありませんが、50歳未満の若年層で増加が報告されています【1】【2】。血便や便通異常が続く場合は年齢に関係なく確認が大切です。
Q2. 血便が少量で1回だけなら様子見でもいいですか?
A. 一時的なこともありますが、血便は痔以外(腸炎、ポリープなど)でも起こります。繰り返す・量が増える・便通変化や貧血がある場合は受診が安全です。
Q3. “痔っぽい鮮血”なら大腸カメラは不要ですか?
A. 痔が原因のことは多いですが、痔と別の出血源が同時にあることもあります。繰り返す血便や便通異常があるなら、医師と相談して検査を検討します。
Q4. 便が細いのは大腸がんのサインですか?
A. 必ずしも大腸がんとは限りませんが、狭窄(腸が狭くなる状態)の確認が必要になることがあります。2週間以上続く、残便感が強い、血便を伴う場合は受診をおすすめします。
Q5. 下痢と便秘を繰り返します。ストレス(IBS)だけで起こりますか?
A. IBSでも起こりますが、血便・体重減少・貧血などがあれば別の病気の除外が優先です。症状が長引く場合は一度評価すると安心です。
Q6. 便潜血検査は何歳から受けるべきですか?
A. 日本の指針では便潜血検査(免疫法)を推奨し、検診開始年齢は40歳が推奨されています【3】。一般向けにも40歳から年1回が案内されています【4】。
Q7. 便潜血が陽性なら、症状がなくても大腸カメラは必要ですか?
A. はい。便潜血は“出血のサイン”を拾う検査なので、陽性なら原因確認のため精密検査が基本です【3】【4】。
Q8. 大腸カメラが怖いのですが、負担を減らす方法はありますか?
A.当院では鎮静剤の使用・スコープの調整・独自の低痛挿入法を行うことで無痛大腸カメラをお受けいただくことも可能です。是非ご相談ください。
▶大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
Q9. 検査前の下剤が心配です。どれくらい大変ですか?
A. 食事調整と下剤内服が必要です。つらさには個人差がありますが、腸がきれいになるほど検査の精度が上がります。事前説明で不安を減らしましょう。
Q10. 家族に大腸がんがいる場合、若くても検査を早めた方がいいですか?
A. はい。家族歴がある方は一般より早めの評価が必要になることがあります。親族の発症年齢などで方針が変わるため、診察時にご相談ください。。
まとめ
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若年層(50歳未満)でも大腸がん増加が報告【1】【2】
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血便、便通異常が2週間以上、便が細い、貧血は要注意
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検診は40歳から便潜血(年1回)が推奨【3】【4】
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症状がある人は年齢に関係なく、必要に応じて大腸カメラで原因確認を
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関連ページ
参考文献(本文【番号】と対応)
【1】国立がん研究センター「若年大腸がんと子宮体がんの罹患・死亡の増加を確認」
【2】Sung H, et al. Colorectal cancer incidence trends in younger versus older adults. Lancet Oncology (2025)
【3】国立がん研究センター がん検診ガイドライン:大腸がん(最新:2024年度版)
【4】がん情報サービス:大腸がん検診について(対象年齢・便潜血2日法・年1回など)
【5】有効性評価に基づく 大腸がん検診ガイドライン 2024年度版(PDF)
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
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