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実際の治療例 “突然の激しい腹痛・下痢・血便”

[2023.10.14]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代女性 激しい腹痛・下痢・血便

【症状】

前日夕食後3時間ほどしてから冷や汗が出るほどの突然激しい下腹痛が出現し、しばらくして水下痢が起こり夜間に数回下痢を繰り返し、途中から血便を伴ったとのことで、翌朝に当院を初診されました。

 

【診察】

触診では左下腹部に強い圧痛を認め、症状と合わせて虚血性腸炎を疑い、鑑別診断として感染性胃腸潰瘍性大腸炎などを考えました。

 

【検査】

腹部エコーにて下行結腸からS状結腸にかけて腸管の壁の肥厚を認め、虚血性腸炎と診断しました。

下行結腸の画像です。 水色矢印の範囲で腸管が浮腫み、粘膜下層が炎症で白く見えます (黄色矢印)

関連ページ:腹部エコー

 

【治療・経過】

血液検査での炎症反応は軽微な上昇のみで、血便による貧血や大腸の炎症による腸閉塞などもないため、入院は必要なく食事制限と痛みや炎症に対しての内服薬で外来治療としました。

その後、痛みは翌日にはかなり改善し、食事制限を徐々に解除しましたが再燃なく、無事に治療完了となりました。

 

虚血性腸炎は痛みが激しく血便も伴うことが多いため、一見重症疾患と思ってしましますが、しっかり診察と検査を行い診断をつければ外来で経過を見ることができる疾患です。

ただし、同様の症状を伴う別の疾患もあるため、症状がある際はまず医療機関を受診し適切な診断を行い治療方針を見極めることが大切です。

 

また、治療完了後も実際に虚血性腸炎以外の病気がないかどうかを大腸内視鏡検査を行って確認しておくことも必要です。

 

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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