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実際の治療例 “若年者の便潜血検査陽性”

[2023.12.09]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

30代前半 男性 便潜血検査陽性

 

症状

特に自覚症状はありませんが、会社の検診の便潜血検査で陽性が出たとのことで当院を受診されました。

 

診察

当初、近くの内科のクリニックに相談したところ「若いから心配ない」と言われたとのことでしたが、便潜血検査は大腸がん検診の位置づけとなる検査で実際に便潜血反応陽性の方に大腸カメラの検査をすると3%程度に大腸がんが見つかっており、若年者にも大腸がんポリープがあることも否定はできずご本人と相談し大腸内視鏡を行うことしました。

 

関連ページ:便潜血検査陽性の場合は大腸カメラを受けた方がいいの?

 

検査

大腸内視鏡を行うと深部に大腸ポリープを認め、その場で切除をしました

矢印部分で囲まれた部位がポリープになります。 鋸歯状腺腫と呼ばれる将来的に発がんのリスクのあるポリープで、若年者の方にも出来やすい前ガン病変です。

ポリープ部分を内視鏡で切除しました。切った直後は一時的に出血しますが、出血しにくい切除方法で切除しており、基本的には数分で自然止血します。

関連ページ:大腸内視鏡(大腸カメラ)

 

大腸がんはほとんどがポリープ由来であり、早期にポリープを見つけ切除することが大腸がんの予防に直結します。

一昔前はポリープが出来るのは40歳以降で十分と言われてましたが、現在は大腸内視鏡の画質も上がり以前は見つけることが困難であった微小なポリープ扁平なポリープも見つけることが可能となっており、若いうちに検査を受けて将来的なガンの予防を行っていくことが重要です。

※ポリープも小さいうちに切除すれば、より出血も少なく合併症のリスクも低い状態で治療を行うことができます。

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

 

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