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健診で貧血を指摘されたら要注意|原因は大腸がんだった50代男性の実例

[2026.03.27]

健康診断で

「少し貧血があります」

と言われても、体調に問題がなければ、そのまま様子を見てしまう方は少なくありません。

ですが、成人男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、胃や大腸など消化管からの慢性的な出血が隠れていることがあり、ガイドラインでも原因検索が重要とされています【2】【3】。

また、大腸がんは早期には症状が乏しいことが多く、特に右側の大腸がんでは血便より先に貧血が手がかりになることがあります【4】【5】。

今回は、健康診断の貧血をきっかけに大腸がんが見つかった50代男性の実例をもとに、受診の目安と必要な検査について専門医の院長がわかりやすく解説します。

 

貧血を指摘された方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

実際の治療例|50代男性「健康診断で貧血を指摘」

症状

今回の患者さんには、はっきりした自覚症状はありませんでしたが、健康診断で軽度の貧血を指摘され来院されました。

 

診察

健診で貧血を指摘されたときには、まず「どのタイプの貧血か」を確認します。

貧血は赤血球の大きさなどから、

 ・小球性貧血

 ・正球性貧血

 ・大球性貧血

に分けて考えるのが基本です【1】。

そのうえで、消化管出血、鉄不足、慢性炎症、腎機能低下、ビタミンB12や葉酸不足、骨髄の病気など、原因を整理していきます【1】。

 

検査

血液検査では、ヘモグロビン値だけでなく、MCV、血清鉄、フェリチンなどを確認し評価します【1】【2】。

今回は小球性貧血で、血清鉄が低下していた鉄欠乏性貧血の状態でした。

成人男性や閉経後女性では、鉄欠乏性貧血の背景に消化管からの慢性的な出血が隠れていることが少なくないため、

胃・十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患、血管性病変などを鑑別に挙げて評価することが大切です【2】【3】。

ガイドラインでも、こうした患者さんに対して胃カメラと大腸カメラによる上下部消化管の出血を確認することが第一選択して推奨されています【2】。

実際の胃カメラ画像

食道・胃・十二指腸に出血を来す異常はありませんでした。

実際の大腸カメラ画像

大腸内視鏡を行うと、上行結腸に35㎜大の出血を伴う腫瘍を認め(青矢印部分)、貧血の原因と考えました

生検を行いガン細胞が認められ、大腸がんの診断となりました。
 

治療・経過

進行大腸がんのため内視鏡治療の適応はありませんでしたが、転移はなかったため、手術によって根治が可能でした。

大腸がんは、同じ「がん」でも見つかった時期や深さによって治療内容が大きく変わるため、健診異常の段階で見逃さないことが大切です【5】【6】。

 

貧血とは

貧血には、小球性貧血・正球性貧血・大球性貧血があり、それぞれ原因が異なります【1】。

  • 小球性貧血では鉄欠乏が重要で、
  • 正球性貧血では慢性炎症や腎機能低下など、
  • 大球性貧血ではビタミンB12や葉酸不足など

が代表的です【1】。

今回の患者さんは小球性貧血で、このタイプでは特に「どこかで少しずつ血液を失っていないか」を考えることが大切です。

成人男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、慢性的な消化管出血が重要な原因になります【2】【3】。

食道・胃・十二指腸など上部消化管からの出血では吐血や黒色便がみられることがあり、

大腸からの出血では血便がみられることがあります。

一方で、出血量が少ない場合には、便の見た目に変化が出ず、自覚症状がまったくないまま進むこともあります【3】。

このような少量の出血でも、慢性的に続けば少しずつ貧血が進行します。

すると、疲れやすさ、息切れ、動悸、めまいなどが出ることがありますが、初期には症状が乏しく、今回のように健康診断で初めて異常に気づくことも少なくありません【3】【7】。

貧血を放置すると、原因になっている病気の発見が遅れ、治療のタイミングを逃すおそれがあります。

さらに、貧血が進むと心臓に負担がかかりやすくなり、基礎疾患がある方では症状が強く出ることもあります【3】。

健診で貧血を指摘されたら、数値だけで済ませず、なぜ貧血になっているのか原因まで確認することが重要です

 

大腸がんとは

大腸がんは、大腸にできる悪性腫瘍です。

早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行すると、血便、便秘・下痢、便が細い、腹痛、腸閉塞、貧血などの症状が現れます【4】【5】。

特に右側の大腸がんは大きくなるまで症状が出にくく、慢性的な出血による貧血で見つかることがあるのが特徴です【4】【5】。

今回の症例はまさにその典型の一つで、血便や強い腹痛が前面に出る前に、健診の貧血が診断のきっかけになりました。

症状が乏しい段階でも、異常をきちんと拾い上げて精査につなげることが、早期の診断と治療につながります。

 

院長からのコメント

健康診断の貧血は、「少し低いだけだから様子を見よう」と受け止められがちです。

ですが、成人男性や閉経後女性で新しく見つかった貧血、とくに鉄欠乏を疑う所見がある場合には、胃や大腸からの慢性的な出血が隠れていることがあります【2】【3】。

今回のように、自覚症状がほとんどないまま大腸がんが見つかることもあります。

「血便がないから大丈夫」「体調に問題ないから大丈夫」と自己判断せず、健診で貧血を指摘されたら、原因確認まで行うことが重要です。

とくに50代以降で初めて貧血を指摘された方、以前よりヘモグロビンが下がってきた方は、一度ご相談いただくことをおすすめします。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に胃・大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛検査にも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

 

よくある質問(FAQ)

Q:健康診断で軽い貧血と言われただけでも、受診した方がよいですか?

はい。とくに成人男性や閉経後女性で新しく貧血を指摘された場合は、胃や大腸からの慢性的な出血が隠れていることがあります。症状がなくても、原因を確認することが大切です【2】【3】。

 

Q:血便がなくても大腸がんのことはありますか?

あります。大腸がんは早期には無症状のことが多く、右側の大腸がんでは目立つ血便がなく、慢性的な出血による貧血で見つかることがあります【4】【5】。

 

Q:男性の貧血では、胃カメラと大腸カメラの両方が必要ですか?

鉄欠乏性貧血が疑われる成人男性や閉経後女性では、胃カメラと大腸カメラの両方で出血源を確認することが重要です【2】【3】。

 

Q:鉄剤を飲んで数値が戻れば、それで安心してよいですか?

一時的にヘモグロビンが改善しても、出血の原因が残っていれば再び貧血になる可能性があります。鉄剤で数値を整えることと、原因を調べることは別に考える必要があります【2】【3】。

 

Q:上行結腸のがんは症状が出にくいのですか?

はい。右側の大腸がんは、大きくなるまで症状が目立ちにくく、慢性的な出血による貧血をきっかけに見つかることがあります【4】【5】。

 

Q:貧血以外には、どんな症状があると注意した方がよいですか?

血便、便秘と下痢の繰り返し、便が細い、腹痛、お腹の張り、体重減少などが続く場合は注意が必要です【4】【5】。

 

Q:大腸カメラで病気が見つかったら、その場で治療できることもありますか?

早期大腸がんや前がん病変で、内視鏡で安全に完全切除できると判断される場合は、そのまま内視鏡治療の対象になることがあります【5】【6】。

 

Q:進行大腸がんと言われると、必ず転移していますか?

必ずしもそうではありません。局所にとどまっていれば、手術で根治を目指せることがあります【5】【6】。

 

Q:便潜血が陰性でも、大腸がんは否定できますか?

いいえ。便潜血検査は有用ですが、陰性だから大腸がんを完全に否定できるわけではありません。症状や貧血がある場合は、必要に応じて精密検査を検討します【4】【5】。

 

Q:どのタイミングで早めに受診すべきですか?

健診で貧血を指摘されたとき、以前よりヘモグロビンが下がっているとき、動悸・息切れ・だるさがあるとき、また血便や便通異常を伴うときは、早めの受診をおすすめします【3】【4】【7】。

 

まとめ

健康診断で見つかった貧血は、単なる「軽い異常」ではなく、体からのサインであることがあります。

特に成人男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、胃や大腸からの慢性的な出血が隠れていることがあり、大腸がんが症状の乏しい段階で見つかることもあります【2】【3】【4】【5】。

血便がなくても安心とは言えません。健診で貧血を指摘されたら、原因確認まで進めることが大切です。

 

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関連ページ

健診で貧血を指摘された方の中には、胃や大腸からの慢性的な出血が隠れていることがあります。

大腸がんの基礎知識や、大腸カメラ・胃カメラの流れについて詳しく知りたい方は、以下の関連ページもご覧ください。

▶ 貧血や体重減少・腹痛が気になる方へ

▶大腸カメラについて専門医が解説

▶胃カメラについて専門医が解説

参考文献

  1. MSD Manual Professional. Etiology of Anemia / Classification of Anemia by Cause.
  2. Ko CW, Siddique SM, Patel A, et al. AGA Clinical Practice Guidelines on the Gastrointestinal Evaluation of Iron Deficiency Anemia. Gastroenterology. 2020.
  3. Snook J, Bhala N, Beales ILP, et al. British Society of Gastroenterology guidelines for the management of iron deficiency anaemia in adults. Gut. 2021.
  4. 国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」.
  5. 大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版」.
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療」.
  7. 国立がん研究センター がん情報サービス「貧血」.

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

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