実際の治療例【3年間続く便潜血陽性…自覚症状なしでも早期大腸がんが発見】
「検診で便潜血陽性といわれたけれど、症状もないし大丈夫だろう」
と放置してしまう方は少なくありません。
しかし、便潜血陽性は大腸がんやポリープのサインであることがあり、適切な検査を受けなければ見逃してしまう危険性があります。
今回は 3年連続で便潜血陽性が続いていた50代男性 に、大腸カメラ(大腸内視鏡)を行ったところ一部がん化した直腸ポリープ(早期がん)が発見され、内視鏡治療で根治に至った実例をご紹介します。
症例 50代 男性 3年ほど前から検診で便潜血陽性が続いている
【症状】
3年ほど前から会社で受けている検診で便潜血陽性を指摘されていましたが、自覚症状がないため医療機関は受診していない状態でした。
今回会社の産業医から必ず医療機関を受診するようにと指示があったため当院を受診されました。
【診察】
ご本人に便潜血検査は「大腸がん検診の位置づけであり、陽性の方に大腸内視鏡を行うと3%程度にガンが見つかっている」ことをご説明し大腸内視鏡を行うこととしました。
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【検査】
内視鏡を行うと直腸に20㎜大のポリープを認め、便潜血陽性の原因と考えました。
内視鏡上は一部ガン化している早期がんの可能性がありましたが、内視鏡治療で根治出来る状態と考え内視鏡切除を行いました。
直腸の20㎜大のポリープ(青丸部分)
内視鏡治療でポリープを切除しました。 黄色部分が切除部です。
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・大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
【治療】
内視鏡治療後も合併症なく経過し、切除したポリープの病理検査結果はやはり早期ガンでしたが、幸いにも転移の心配のない状態であり、根治が出来ました。
院長からのコメント
前述のように便潜血検査陽性の方に大腸内視鏡を行ってみると3%程度の方に大腸がんが見つかるとのデータがあり、実際に今回のようにガンが見つかるケースもあります。
また、便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、直腸ガン・大腸ガンによる死亡率が2倍以上になったとの報告もあり※1、便潜血陽性の方は自覚症状がなくても、大腸内視鏡を受けることが大切です。
まとめ
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便潜血陽性は自覚症状がなくても放置は危険
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大腸カメラで早期がんやポリープを発見できる
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内視鏡治療で根治が可能なケースも多い
👉 便潜血陽性といわれた方は、ぜひ早めに大腸内視鏡をご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
FAQ(よくある質問)
Q1. 便潜血陽性=必ず大腸がんという意味ですか?
A. 必ずしも大腸がんという意味ではありません。痔や炎症でも陽性になることがあります。ただし、実際に便潜血陽性の方に大腸カメラを行うと 約3%に大腸がん が見つかるというデータがあります。そのため、がんを見逃さないためにも大腸カメラ検査が推奨されます。
Q2. 便潜血陽性が続いていますが、自覚症状がない場合も受診すべきですか?
A. はい。自覚症状がなくても受診をおすすめします。大腸がんやポリープは初期段階では症状が出ないことが多いため、「症状がない=病気がない」ではない のです。放置すると進行してから見つかるリスクが高まります。
Q3. 大腸カメラは痛い・つらい検査ではありませんか?
A. 当院では鎮静剤(静脈麻酔)を使用し、眠っている間に検査を受けられるため「苦しくなかった」とのお声を多くいただいています。検査時間は20〜30分程度で、日帰りで受けられます。
👉 関連ページ:なぜ当院の大腸内視鏡は「痛くなく」「苦しくない」の?
Q4. 内視鏡で切除した場合、その後の通院や経過観察は必要ですか?
A. はい。ポリープや早期がんを切除した後は、再発や新しいポリープの有無を確認するために 1年ごとの定期的な大腸カメラ が推奨されます。切除で根治できても“終わり”ではなく、継続した経過観察が大切です。
Q5. 便潜血検査と大腸カメラ、どちらが確実ですか?
A. 便潜血検査はあくまで「スクリーニング(ふるい分け)」検査であり、大腸がんを確実に診断するものではありません。最も確実なのは 大腸カメラ(内視鏡検査) で、直接大腸の粘膜を観察し、ポリープやがんをその場で切除できる唯一の検査です。
当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
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土日対応、事前診察は原則不要
▶【WEB予約】
▶お電話:03-5940-3833
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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・大腸がん
・血便外来
※1 参考文献;Zorzi M et al Gut 2022;71(3):561-567
